序列最下位の陰陽師、英雄になる。

澄空

第一章《序列最下位の陰陽師、英雄になる。》

『プロローグ』




 20××年。


 それまで『霊感』と呼ばれていたものが、科学的に証明された。

『霊感』……、いや『第六感シックスセンス』と言い換えても良いかもしれない。



 その正体は、―――――『磁覚』。



 これまで霊感があると言われていた人たちは、磁場の強さや場所、その方向を感覚的に知覚することで、『霊』と呼ばれる存在を認識していた。

 上記の発見により、科学による霊現象の根本的な解明が行われ、今や後天的に磁覚を発現させる技術も確立。霊は特別な人間にしか見えないものではなくなった。


 それと同時に新たに発生した問題。



 ―――――『悪霊』。

 中世以降の文献より人に仇なす存在として取りだたされていた悪霊も、またその存在が認められた。

 現代でも人や物に対する影響が確認されたため、日本国は正式に悪霊に対処するための機関を設立。

 国家事業の一環として、職業としての『陰陽師』を養成する運びとなった。


 陰陽師養成機関の一期生が世に出て十年余り、夜に戦闘が行われ、絶えず轟音が鳴り響く……そんな日常も珍しくはなくなった―――――。




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