第19話 泥沼対策
俺たちは魔族の追撃を受けることなく冒険者ギルドに戻る。Bランクパーティーがローズに詰め寄る。
「何で後退の指示を出した。俺たちは優勢だったんだぞ。あんたがミスをしなければダニーは死ぬことは無かったんだ。」
ダニーは、魔族に水の剣で切り殺された剣士だ。
「後退していなければ、今頃多くの犠牲者が出ていました。」「そんなことわかるか。」
「あの魔族は間違いなく液化のラミアと配下の魔族です。シテルを泥の沼に変えて自分たちの領域にしたのです。それが判らないのですか。」「もういい!やってられるか。」
Bランクパーティーが冒険者ギルドから出ていく。
「お姉様、どうしますか。」「アニー、あの泥の沼の中では戦えません。厄介ですね。」
「ローズ様、魔法で遠距離から攻撃したらどうでしょう。」「ラミアはもっと泥の沼を広げられるのかもしれません。それにその方法では私たちに不利です。」
良い案がないのか、みんな黙っている。俺も考えるがラミアは魔法で地面を液状化させている。舟を使うことを考えたがラミアの魔法の領域の中である何が起きるかわからない。
困ったときの女神様と言ことで女神テイアに聞いてみることにする。
(テイア様、液化のラミアの攻略ですけど、あの泥の沼を何とかできませんか。)(あんた、悪知恵が回るのだから何とかしたら。)
(分からないから聞いているのです。)(宮廷魔法士になってもバカのままなのね。)
この女神は何もしない口だけのくせにその口も悪い。
(あんた、今、私を馬鹿にしたでしょ。)(いいえ、尊敬してます。)
(まあいいわ。ラミアの泥の沼は何なの。)(魔法の領域でしょか。)
(そう、魔法の効果範囲よ。魔法で打ち消せばいいでしょ。)(クレイウォールなら地面に効果範囲を広げられますね。)
(クレイウォールなら足場になるから都合が良いかもしれないわね。)(ありがとうございます。)
(ラミアの恐ろしさはそこじゃないから、気を付けるのよ。)(教えてくれないのですか。)
(想像力を働かせるのね。)
俺はラミアの液化について考える。そして、液化が地面だけでないとしたら、人間も液化できるとしたらと考えつく。
「お姉様、泥の沼をクレイウォールで地面に変えるのはどうですか。」「すぐに液化されてしまうわ。」
「クレイウォールを維持し続けるのです。」「ラミアと陣取り合戦をするつもり。」
「そうです。」「ラミアの魔力は強大よ対抗できるの。」
「私たちは、自分たちの足場だけ地面を維持できれば良いのです。」「それならできるかもしれないわね。アネット様できますか。」
「私ですか。」「アネット様はクレイウォールが得意だと思いましたが・・・」
「分かりました。役目を果たして見せます。」「お願いします。」
俺たちは明日再びシテルに向かうことにする。
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