第20話 戦いの再開
翌朝、俺たちは冒険者ギルドに集まる。昨日、途中で出て行ったBランクパーティーも来ている。Bランクパーティーのリーダーが言う。
「ラミアと戦う作戦は決まったんだろうな。」「クレイウォールで足場を築いて戦います。厳しい戦いになりますよ。」
「俺は仲間の敵を討てればいい。」「あの水を操る魔族は厄介ですよ。」
「あんたに従うから、あの魔族を殺させろ。」「約束はできませんが機会は作ります。」
俺はBランクパーティーは戻ってこないと思っていた。ローズはどうやってBランクパーティーに魔族を討たせるつもりなのだろう。
シテルに近づくと魔力探知に魔物と魔族の反応がある。今回は水の膜は使っていないようだ。そして、シテルに留まっている。
ローズは俺に指示する。
「アニー、メテオフォールをラミアにぶつけてくれる。」「メテオフォールですか。」
「あなたなら使っても魔力切れを起こさないでしょ。」「はい、分かりました。」
俺は詠唱を始める。「空のつぶてよ、舞い降りて全てを葬り去れ。メテオフォール」
火球がシテルの町に落ちる。俺たちは地面に伏せる。そこに衝撃波が押し寄せてくる。今の攻撃で魔物の半数の反応が消えるがラミアは健在である。
水を操る魔族は少しダメージを受けたようで反応が少し弱くなっている。
ローズは、衝撃波をやり過ごすと俺とアネット、カスパーに指示する。
「目標、ラミア、パイルサイクロンを撃ち込んで。」
ローズを含めた4人がラミアにパイルサイクロンを撃ち込む。4つの強力な風の渦は魔物やがれきを引き裂き砕きながらラミアに襲い掛かる。
しかし、水を操る魔族が割って入り、水の防壁でパイルサイクロンを防ごうとする。パイルサイクロンは威力を弱められるが水の防壁を打ち破り魔族を引き裂く。
魔族は倒れるがすぐに傷を修復して立ち上がる。ローズがBランクパーティーに言う。
「今よ、討ち取るチャンスよ。」「おう。」
Bランクパーティーが魔族との距離を詰めるため走る。ローズはアネットに言う。
「クレイウォールの準備をして。」「はい。」
アネットは詠唱する。「大地の防壁よ、我を守りたまえ。クレイウォール」
クレイウォールはBランクパーティーの足元を走って進む。
ラミアが周囲を液状化し始める。それは瞬く間に広がって行く。Bランクパーティーの魔法士がファイアーランスを魔族に連射する。魔族は水の防壁を作って防ぐが反撃する余裕はないようだ。
Bランクパーティーのリーダーが魔族に迫り、水の防壁ごと魔族を剣で袈裟切りにする。
その時、ラミアの液状化が魔族の所に及ぶ。リーダーのいる所はクレイウォールの効果範囲で液状化はしない。魔族は泥水の上を滑りリーダーと距離を取る。
魔族は敵が追ってこないと考えた。だが、リーダーは執念を燃やして、地面を飛び魔族に届くと剣を突き立てる。リーダは魔族を睨みつける。必ず殺すと・・・
魔族は逃げようをするがリーダは突き立てた剣を離さない。リーダーは腰の大型ナイフを抜くと魔族をめった刺しにする。魔族に反撃する力はない。
リーダはナイフで魔族の首を切り落とす。リーダは魔族の首を掲げて敵を討ったことを知らしめる。
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