第3話 宮廷魔法士と近衛隊の仲

 俺とアニタは王都に着くと宿に向かう。そこにはアネットが待っていた。俺たちは前もって宿を決めて、合流することにしていたのだ。

 俺たちは3人揃うと魔法省に顔を出すことにする。魔法省の入り口に行くと若い男たちが出てくる。

 「アニエス様とアネット様だったか。残念、殴り込みかと思ったのに。」「久しぶりです。」

 「君たちの活躍は聞こえてきているよ。近衛隊が悔しがっていただろう。」「よく知っていますね。」

 「宮廷魔法士とは仲が悪いからな。」「どうしてですか。」

 「近衛隊の魔法士もプライドが高いのだが、王家は、魔法のことを宮廷魔法士や魔法省に任せるから気に入らないのさ。」「問題ですね。」

 「いつものことだよ。」

近衛隊はプライドが高いとすれば、宮廷魔法士や魔法省だけでなく王都の騎士団とも仲が悪いことになる。近衛隊はほかの者と連携をとれなければ、力を発揮できないことになる。

 いざ、王家に危険が迫った時、守ることはできるのだろうか。俺が考えに耽っているとアネットが俺に言う。

 「アニー、何をボーッとしているの。」「アニエス様は考えことをしているのです。」

 「アニタ、アニーは良く考え事をするの。」「はい、考え事をする時は周囲を良く巻き込みます。」

 「それって事件とかではないでしょうね。」「飢饉のこととか事件に巻き込まれる時は、考え事をしていました。」

 「アニー、何を考えていたの。」「近衛隊が宮廷魔法士や魔法省と仲が悪いのは良くないと思ってました。」

 「何かするつもりではないでしょうね。」「今のところは何もしませんわ。」

 「手を出したらだめよ。」「どうしましょう。」

俺はアネットに笑って見せる。アネットは渋い顔になる。

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