第35話 氷の防御
氷獄のエスエは冷気を通じて敵の気配を探る。彼らは防御をして冷気を防いでいることが判る。しかし、防御魔法で冷気を防ぎきるのは不可能だ。
これまでの敵も防御魔法で冷気を防ごうとしたが、皆失敗している。これでうるさいファイヤーボールの攻撃もおさまるだろう。
アネットがウインドシールドで空間を遮断したことでマグマウォールの熱が遮蔽空間の中に留まり俺たちを極寒の冷気から守っている。
俺は魔力を制限した状態でファイヤーボールを撃つているので魔力切れの恐れはない。
エスエは冷気を全開にしたことで多量の魔力を消費している。そして氷の防御にほころびが生じる。
ファイヤーボールが氷の防壁を割ったのだ。氷の防壁はすぐに修復されるが、彼女は時間が無いことを自覚する。
エスエは、ファイヤーボールを使っている魔法士を直接攻撃することにする。彼女は氷の槍を作りだす。
これはただの氷の槍ではない。冷気を纏っており、エスエの魔力を帯びている。この槍はどんな防御も貫き目標を凍らせるのだ。
彼女は、固まっている敵の中から俺を見つけ出し驚く。相手はまだ子供である。さらに魔力は大きいが一番大きいわけではない。カスパー、アネットの次に大きいのである。
しかし、彼女はファイヤーボールの攻撃が続いていることに納得する。子供なので初歩的な魔法しか使えないのだと思い込む。
エスエは氷の槍を投擲する。槍はウインドシールドを破り、マグマウォールを破って俺を目指して飛んでくる。デリアはいち早くそれに気づき、俺を押しのける。
氷の槍はデリアに刺さる。デリアは氷柱となり粉々に砕ける。俺はデリアの犠牲で助かったのだ。アネットが俺に言う。
「まだ、戦闘中よ。悔やむのは後にして。」
俺は答えず、アネットを見る。彼女は涙を流していた。俺はやり場のない怒りをエスエにぶつけることにする。
俺はファイヤーボールの発現温度をさらに上げる。さらにコントロールしてファイヤーボールの速度を上げていく。俺のファイヤーボールはエスエの氷の防御を砕き始める。
エスエは初めてファイヤーボールの直撃を受ける。
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