第30話 奇襲の開始
俺はカスパーに言う。
「ギルドマスター、魔物がいる所はローム村ですね。」「ええ、間違いありません。」
「と言うことは、昨日から動いていないことになります。待ち構えているのではないですか。」「でも、ここからはまだ距離があります。」
「パイルサイクロンならここかsらでも群れの中央に攻撃が届きますわ。」「そんな大技を使えるのですか。」
「ラトワ村で使っています。それに第1撃はメテオフォールを使おうと思います。」「あれは魔力消費が大きいですよ。」
「私なら使った後でも十分戦えます。」「私は認められません。」
カスパーは俺がメテオフォールを使うことを止めようとする。アネットがカスパーに言う。
「アニーは魔力の持久力が異常に高いから大丈夫ですよ。」「そこまで言うならやってみてください。」
「はい、ありがとうございます。」
俺は詠唱を始める。「空のつぶてよ、舞い降りて全てを葬り去れ。メテオフォール。」
空から火球が降って来る。カスパーがみんなに言う。
「みんな、伏せろ!」
大地に火球が衝突して、振動と共に衝撃波が襲って来る。俺たちは衝撃波に耐える。カスパーが指揮をする。
「パイルサイクロンを使うぞ。それぞれ前方へ撃ち込め。」
俺とアネット、カスパーが詠唱する「我を遮るものを砕き穿て。パイルサイクロン」
3つの強力な風の渦がすべての物を巻き込み切り刻んでいく。カスパーが俺たちに言う。
「もう一度、パイルサイクロンを使う。前進して魔物が見える所で撃つぞ。」「はい。」
俺たちはパイルサイクロンが木々をなぎ倒した後を走って前進する。すると地面が魔物の血で赤く舗装されている。魔物は突然の襲撃に統制がとれていない。
俺とアネット、カスパーは魔物が固まっている所へ向けて、パイルサイクロンを撃つ。パイルサイクロンの風の渦は魔物の血で赤く染まる。
もう魔物は群れと言える状態ではない。そこへアヒムたちと騎士団が切り込む。初戦は俺たちに優位に運んでいる。
しかし、魔物の中央の大きな魔力反応は健在である。メテオフォールの直撃を受けたはずなのに魔力の減少は感じられない。
そこには、戦いとは無縁のように青い髪の美女が立っている。俺はキャリブレイトで彼女を見る。彼女は真紅に輝いている。圧倒的な魔力を持っている証拠だ。
俺たちは、これから、この女、氷獄のエスエを倒さなくてはならないのだ。
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