第28話 ギルドマスター動く
領主のカールハインツ・ド・ルマールとギルドマスターのカスパー・タウアーが1階に降りてくる。デリアがBランクのパーティーのことをカスパーに報告する。
「Bランクのパーティーがローム村に向かいましたが帰って来ません。」「そうか、貴重な戦力だったが仕方がない。」
「それだけですか。」「彼らは帰って来ないよ。」
カスパーは感情を殺して言う。カールハインツがみんなに言う。
「明日、君たちにはローム村に向かってもらう。指揮はカスパーに取ってもらう。」「俺たちだけで戦うのですかい。」
アヒムがカールハインツを睨みつける。
「いや、騎士団もローム村に向かうが相手をするのは魔物だけだ。氷獄のエスエは、君たちに対処してもらう。」
カールハインツはアヒムに言う。カスパーが俺たちに言う。
「アネット様、アニエス様、アニタは今からSランク冒険者だ。魔法士の指揮はあたしがとる。剣士たちの指揮はアヒムにとってもらう。」「分かりましたけど、エスエの情報がありませんよ。」
「奴は私の村を滅ぼしている。魔物を自在に使い。自身は強力な氷魔法の使い手だ。油断すると氷柱にされてしまうから近接戦は奴の魔力をそぐまでできないと思っていてくれ。」「分かりました。剣士たちは魔法士の守りに徹します。]
アネットが言う。
「私たち、今日Bランクになったばかりですけど。もうSランク冒険者ですか。」「君たちは今日、魔族を倒している。十分実力はあると思っている。Sランクの立場から助言を期待している。」
「分かりました。お受けします。」「では、明日、ローム村に向かう。今夜のうちに万全の調子にしてくれ。」
俺たちは、氷獄のエスエとの戦いに駆り出されてしまった。
俺とアネットは宿に戻るとどうやってエスエと戦うか相談する。
「エスエは魔物を従えているから面倒ね。」「アニー、やっぱり最初にパイルサイクロンで魔物の数を減らすのはどお。」
「ネティー、それならメテオフォールがいいわ。」「あれは魔力の消費が大きいわよ。」
「なら、私がメテオフォールを使うから、その後、残った魔物をパイルサイクロンでつぶしましょ。」「アニー、魔力は持つの。」
「それくらいなら問題ないわよ。」「あなたの持続力は化け物じみているわね。」
「それほどではないわ。」「褒めていないわよ。」
俺は人の10倍の魔力量があるからメテオフォールを1回使ったくらいでは消耗したりしない。エスエについてはどんな相手かわからないので対処法の結論は出なかった。
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