第13話 Cランク冒険者になる
翌朝、俺たちが冒険者ギルドに行くとダリアが声をかけてくる。
「ギルドマスターがお会いしたいそうです。お願いします。」「分かりました。」
俺たちはギルドマスターの執務室へ行く。カスパーが俺たちに言う。
「かけてくれ。昨日は、冒険者の治療をありがとう。」「礼を言うために呼んだのですか。」
「いいや、君たちをCランクにする。」「良いのですか。」
「この街のギルドにはBランク冒険者までしかいないんだ。君たちには早くAランク冒険者になってもらいたい。」「他の街から冒険者を呼んだらどうですか。」
「募集はかけているが、今、辺境のギルドはどこも人手不足なんだ。」「そうなんですか。」
「今日の依頼は昨日の魔物化したホーンボーア2匹を狩って欲しい。」「分かりました。」
「4人も死者を出しているから気を付けてくれ。」「分かりましたが、私たちにはそれほど困難な依頼ではないですよ。」
俺たちが執務室から出て受付に行くとダリアは依頼書とCランクの冒険者証を渡してくれる。彼女は昨日、ホーンボーアが出た場所を教えてくれる。
街を出て森に入ると俺とアネットは探知魔法でホーンボーアを探す。とりあえず昨日、現れた場所を目指す。
しばらく歩くと俺の探知魔法に魔物の反応がある。アネットも探知したようだ。俺たちは気配を消して魔物に近づく。茂みの中から見ると魔物化したホーンボーアだ。
昨日の戦闘の跡か背中に折れた槍が刺さっている。俺は極大のファイヤーボールをホーンボーアに打ち込む。ホーンボーアは炎に包まれる。
さらにアネットがファイアーランスを10本撃ち込む暴れているホーンボーアは5本をはじくが5本突き刺さる。
ホーンボーアの動きが鈍る。アニタが剣を抜いてホーンボーアの首をはねる。
俺は魔石のありかをアニタに教えると彼女は剣で肉を切り裂いて魔石を取り出す。
俺たちは、次のホーンボーアが現れた場所へ向かう。その場所に近づいた時、俺の魔法探知に魔物がかかる。アネットも同様だ。
気配を消して近づくと魔物化したホーンボーアがいる。彼らはあまり場所を移動していないようだ。
今回はホーンボーアに気づかれてしまう。ホーンボーアは俺たちに向かって突進してくる。アネットがファイヤーボールを撃つが勢いは止まらない。
俺はすれ違いざまにサンダーボルトで感電させる。ホーンボーアは焦げているがまだ動いている。俺はステックを持っているので魔法は強化されているはずだ。
それでも致命傷にはならなかった。ホーンボーアは動きがゆっくりになるが俺たちに向かってくる。アニタが俺たちの前に立つ。
そしてホーンボーアに向かって行く。そして、ホーンボーアとすれ違いざまに剣で切りつける。ホーンボーアの横腹から血が噴き出す。ホーンボーアは動きを止めて倒れる。
アニタは首に剣を刺して止めを刺す。そしてアネットの指示で魔石を取り出す。
俺たちは午前中のうちに依頼を達成してしまったので、午後は休むことにする。
俺たちが冒険者ギルドに帰るとダリアが驚いたように言う。
「もう、依頼を達成したのですか。」「はい、ホーンボーアはすぐに見つかったので楽でした。」「そうですか。」
冒険者ギルドがざわめく。みんな、俺たちが苦戦するとでも思っていたのだろうか。
俺たちは魔石を渡して報酬を受け取る。そして、帰ろうとするといかつい男たちがギルドに入って来る。
中に凶悪な顔をした者までいる。ダリアは腰が引けている。アネットは思い出したように凶悪な顔をした男を指さして言う。
「ヒーラーの人だ。」
彼は「アニエス様をあがめ隊」のディルク・バウアーである。入って来た男たち10人は俺の前に膝まつく。そしてリーダのアヒム・プロイスが言う。
「アニエス様に会えて光栄です。」「皆さん、元気に過ごしていましたか。」
「はい、アニエス様の御高名を聞きながら頑張ってきました。今ではSランク冒険者です。」「それは素晴らしいです。それでどうしてここに来たのですか。」
「アニエス様がアリスというパーティーを作ってルマール男爵領へ向かったと聞きましたのでここにいるのです。」「そうですか。」
彼らは俺の追っかけをしているらしい。ダリアが俺に聞く。
「この方たちはアニエス様の知り合いなのですか。」「はいそうです。」
「ぜひ、私たちのギルドに紹介してください。」
なぜ、俺が紹介するんだ。今、ここにいるから。直接、声を書ければいいのにと思ったが頼まれたので仕方ない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます