第7話 「アニエス様をあがめ隊」のヒーラー
3日目の外出も表通りを歩く。俺は表通りの雰囲気に慣れてきている。俺たちは喫茶店に入り、イチゴパフェを2つ注文する。
アニタは初めて見るイチゴパフェに興奮気味に言う。
「何ですかこれ。食べていいのですか。」「イチゴパフェよ。アニタに食べさせたくて頼んだのよ。」
「アニエス様、何か企んでいないですよね。」「主人を疑うの。」
「いえ、すみません。甘い言葉には裏があるから注意するようにと教えられまして。」「その通りだけど。これは何もないわよ。」
単に俺が食べたかっただけなのだ。男の時には食べたことが無かったので一度食べたかった。それだけである。
しかし、パフェは大きい、全部食べられるのかと思ったが案外完食してしまった。
喫茶店を出て通りを歩いていると向こうからトラブルが歩いてきた。人相の悪い男がこちらへ来る。明らかに俺に向かってきている。
「こいつやるつもりか」と思いながら俺はそのまま歩く、アニタも背中の木剣に手が伸びている。男が前に来る。
「アニエス様、こんなところで会えて幸せです。」「へっ。」
「私は「アニエス様をあがめ隊」のディルク・バウアーです。ヒーラーをやっています。」
どう見ても真っ先に殺しに行く凶悪な人相である。ヒーラーとは思えない。
「アヒムたちはこの街にいるのですか。」「はい、10人揃っています。」
「また、一緒の街とは奇遇ですね。」「いえ、我ら「アニエス様をあがめ隊」は常にアニエス様のお近くに控えています。」
「そ、そうですか、よろしく頼みます。」「お任せください。」
「この街には仕事はありますか。」「近郊の村に出る害獣の駆除などがあります。」
「それでは街の中は安全なんですね。」「アニエス様には言いづらいのですが、いろいろな犯罪があるようです。お気を付けください。」
「ありがとう。仕事を頑張ってください。」「はい、アニエス様のお言葉、皆に伝えます。」
ディルクはトラブルのフラグを立てて去って行った。
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