第29話 王都を出発する
翌朝、俺をアニタが起こしに来る。猫耳少女に起こされるなんて幸せだ。
「アニエス、おはようございます。」「おはよう、アニタ」
俺とアニタはローズの部屋へ行く。
「お姉さま、おはようございます。」「ローズ、おようございます。」「おはよう。アニー、アニタ。」
俺たちは宿の1階の食堂へ朝食を食べに行く。ローズが俺に言う。
「今日は、早く起きられたのね。」「アニタに起こされたのです。」「私がアニエスを起こしたの。」
「アニタ、アニーのことはアニエス様と呼ばないといけないわよ。あなたは従者なのだから。」「はい、分かりました。」
「アニー、あなたもアニタの主人だからちゃんとするのよ。」「はい、お姉さま。」
アニタは両親が行商人で旅の生活をしていたので貴族の作法を覚えるのは難しいだろう。ちなみに俺は苦手だ。そこでローズに押し付けることにする。
「お姉さま、アニタに作法を教えてはくれませんか。」「アニー、あなたの従者でしょ。」
「でも私は作法に精通しているとは言えません。お姉さまは気品があるからお願いしたいのです。」「仕方ないわね。宿に泊まっている間だけよ。」
「ありがとうございます。」
アニタも礼を言う。
「ローズ様、ありがとうございます。」
まだ宿に6日いることになる。アニタは基本的な作法を覚えるだろう。
昼頃、衛兵がローズを訪ねてくる。彼は昨日の賞金首を倒したローズに賞金を持ってきたのだ。
ローズは臨時収入があったので俺たちをレストランで夕食をおごってくれることになる。
ローズはレストランでもアニタにテーブルマナーを教える。彼女は先生として優秀なのだ。
彼女は俺のテーブルマナーも指摘してくれる。俺の場合両親が親バカなのでマナーの細かいところが甘いのだ。
1週間は、瞬く間に過ぎ、俺は中級魔法士の免状を受け取る。これで王都を去ることになる。
冒険者になった「アニエス様をあがめ隊」の面々がどうなったか気になるがうまくやっているだろう。
俺たちは朝早く王都を出発してバレーヌ伯の街を目指す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます