第2話
「……おっきいおばあちゃん」
自分の寝言で、大木
2時間の休憩時間が終わりそうだとわかり、仮眠用のベッドから体を起こした。
目尻に涙が溜まっていた。些細なことで泣くなんて、自分のキャラじゃない。26歳の女が、だらしない。
「……おはようございます」
「おはようございます!」
もうひとりの職員、高橋
有料老人ホーム「日なたの庭」は、入居者30名に対し、夜勤職員は2名。後輩の瑠衣も介護職員である。
「皆様、お変わりありません!
寝起きの頭に、瑠衣の明るい声が刺さるように響く。耳を澄ますと、呪文のように低い声が廊下の奥から聞こえてきた。
かーのーやーまー……
入居者、
八重子様は、日が昇っても飽きずに「故郷」を歌い続けていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます