第39話
大学生になる前、正確には合格してから入学までの約10日間ぐらいのことでした。高校を卒業して新しい生活に夢膨らませていたわけですよ。サークルしかり勉強しかり。で特に何にワクワクしていたかというと「好きに授業を組める」ところだったんだ。これは他の人にも当てはまると思う。友達いないからサンプルは無いけど。いやでもマジで、今までみたいにキツい時間割に従う必要は無いんだって喜んだ人は多いと思う。どんな時間割にしようかな、全休ってやつ作りたいな、1限避けて朝ぐっすり寝たいな。シラバスで授業も調べて着々と練ってたんですよこっちは。毎日入学の準備をこなしながらさぁ。で学部ガイダンス。入学前に同学科全員で集まって説明を受けるんだけど、そこでかけられた言葉が忘れられないね。
この学科に自由なんて無いけどその中で楽しんでいこう!
もう1年以上前だから完璧には思い出せないけどこんなニュアンスだった。おいおい入学する前の希望に満ちあふれた新1年生の前で言うことかそれは。頭おかしいだろ。そりゃあ理系だからある程度は忙しいだろうけど、もっと言い方ってもんがあるでしょ。話を聞いていくにつれてこの教授が、オーバーに印象的に物事を伝えることを意識しているんだなと感じた。一種のうさんくささがあった。だからそこまで気にしてなかったんだけどその後に出てきた先輩の話と履修登録の説明で俺の気持ちは揺らぎ始めた。
まず先輩の話だな。もう見た目からおかしかったよあれな。どう見ても寝不足。喋りも朝(とはいえ10:00過ぎてる)だからかおぼつかない。10分ぐらい1,2年生の頃の話をしてくれたんだけどなんか世間一般的な大学生活からは逸脱してた。マイクがゴミ過ぎて半分ぐらいしか聞こえなかったけど、資料のスライドを見る限り勉強の割合が大きい生活でサークル活動とかにはあまり行けてないみたい。入ってるっちゃ入ってるけど...みたいな。でなんか雲行きの怪しさを感じ始めた。
決定打になったのは履修登録の説明の時だね。大学生は自由に時間割を組めるといったけどやり方が存在する。最初のステップにして最大の敵が「必修授業」だ。とらないと卒業どころか学年が上がらなくなる。適当に授業をとって必修の単位が取れなくならないように、最初に必修を登録するんだけど...必修が多すぎる!理系は大変、はい知ってます、それはもちろん覚悟はしてました。いや...でも...それにしても...多いって!まさか半数も埋まるとは思わんじゃん。週5で大学に行くのはまあ良いとして、毎日5限(18時ぐらいまで)まで大学にいるのはキツいって。そっから帰ったら20時過ぎるんよ。そのあと風呂入って飯食ってちょっと休憩したら終わるぜその日。次の日1限からテストあったらどうすんの?勉強しないといけないのに帰れないって。終わってるわ。その時はマジでそう思った。そして何より空いているコマが少ないからとりたい授業が取れないし、とっても忙しすぎて満足に学習できないのが何よりも悲しかった。もっと楽なとこいけば良かったのかね...?
理系大学生の諸々 キウイ @kiui064
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