第27話 はじめての接客

 3月は土日にアルバイトとして大学で新入生に向けて色々案内をしています。詳しく書くとなんか特定とかされて怖いんで伏せるけどね、接客って楽しいんだなと思ったよ。国公立の合格発表が昨日だったからまだお客さんは少ない分こう楽しんでいられるけど来週は多分やばい。地方の新入生も説明を聞きに訪れるだろうから数が想像できない、前期の合格者が1500人ぐらいだと考えるとどうだろう。地元民というか大学周辺在住の方なら平日でも気楽に来られるからあえて休日を避けてくれるかもしれん。休日混むやろなぁって考えてくれて。ただうちは外部からの学生がめっちゃいるからなぁ、泊まりであることを考えると週末に集まるのは目に見えてるし土曜日やばいだろうね。16日。うちは15人ぐらいで対応しているから絶対パンクしそう。多分何組かをまとめて集団で動いて説明するんだろうけど正直苦手というか嫌だなぁ。だって絶対ザワザワしてたり話聞かない保護者出るもん。個別対応だと席に座らせて正面向いて目を見据えて話せるから、逃げ場がないというか他のことに目を向けさせにくいんだけどさ。パネルを用いて歩きながら説明するだろうから絶対死角ができるし、話を耳に通しながらも他のことに夢中になって、後になってやっぱ聞いてないっつって質問してくるんだろなぁ。保護者同士が意気投合してクレーム言ってくるのが一番地獄だろうね。「ここはこうなの?」「そうよねわかりづらいわよね?」って人に同調して自分の意見に優位性を示す汚い手段よ。一番聞いて欲しい学生が萎縮しちゃって質問できず分からず仕舞いになる。これが起きないように誘導しないといけないのも面倒だろうなぁ。


 どうだったって聞かれたら楽しかったと答えるね。今回はまだ資料を読み込んでいない客が多かったから自分の説明にあまり疑問を持つことなく勧められたね。意外とこういう職とか向いているのかなって思っちゃったり。うぬぼれすまん。いままでは聞く側で生きてきたけど、いざ説明しろっていわれると結構意識しないといけないことが多くて大変だったな。姿勢とか声のトーンとか外的な要因は置いといて、やっぱりこっちは資料を読み込んでいる訳じゃん。でも説明するときは相手がどこでつまずくのか分からなくなるのかってのを認識してないといけないんだよね。ぶっちゃけ資料をそのまま読んで伝えるだけだったら俺たちは要らないわけで、なにか彼らにはない強みを生かして内容をより印象深くするのが大事なんだ。新入生にはない俺たちの特権...そう大学での経験談、これがね評判いいんだよね。具体性という点でもグッドだし、なにより気になるでしょ?実際の先輩の話ってネット上じゃなくて生で聞ける機会は入学前はそうそうないし。学生はもちろん保護者も安心させられるし俺は自分語りで気持ちよくなれるし最高よ。どっちにも得がある。お陰でいつもより饒舌になっちゃった。もう3日分ぐらい喋ったわ。同じ学部学科の新入生を担当したのもデカかったな。より詳細に体験談話せるし。受け悪かったらすぐ別の話題引っ張ってって感じで楽しかったです!来週も楽しみ!クレーマーおばさんは来ませんように!以上!

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