注文(ツッコミどころ)の多い料理店 立志編

 そうして先に進むと、また扉が現れます。


 今度の扉には「帽子と外套がいとうと靴とふんどしを脱いでください」と書いてありましたが、二人はふんどし派ではなくノーパン派だったのでとりあえず帽子と外套と靴とストッキングを脱ぎました。


 そして更に進むと扉は次々と現れ。


「髪をといて、ズボンの泥を落としてください」「壺の中のクリームを顔や手足に塗ってください」「ハゲしかいない美容院で良くある事を教えてください」と言われたので二人は「シャンプーの消費が激しい」「パーマ代が5万円以上する」と答え、どんどんと店の奥へと進んで行きました。


 そうして進んだ先の扉には「いろいろ注文が多くてうるさかった事でしょう。お疲れ様でした。これで最後です。どうか壺の中の塩を全身に良く揉み込んでください」と書かれていました。ここで二人は「この店は客に西洋料理を食べさせる店」ではなく「客をオタクに優しいギャル……に優しいオタクにする店」でもなく「客を西洋料理にして食べる店」だと気付き、引き返そうとしますが扉が開きません。

 そしてその時。店の奥へと進む方の扉が勝手に開き、中から人を丸呑みに出来るであろう大きな山猫が2匹現れました。


「嫌な予感が当たったな……」

 マグロが呟き。

「だが、我々から魔法のステッキを取り上げなかったのは失敗だったな」

 とロブスターが口角を吊り上げ。

魔法マジカル少女ラブリー変身チェンジ

 二人が魔法のステッキを天へと掲げました。


 ――そう。色々と注文の多い料理店でしたが、一番肝心の魔法少女ステッキを取り上げなかったのでマグロとロブスターはセクシー担当とお色気担当に恥じない、布面積より肌面積の方が多い魔法少女へと変身するのでした。

 しかし二人は魔法少女に変身したものの。何故か山猫と直接対決する訳ではなく、地面に大きな魔法円を出現させると。

『出でよっ! 太めのブス&微かなアンモニア臭!!』

 二人が同時に叫ぶと、魔法円の中に異世界から帰って来た太めのブスと微かなアンモニア臭が現れました。


 実はこの2頭。嫌な予感がしたマグロとロブスターが予めうっかりミスで死なせて異世界転生し、チートスキルを獲得して今戻って来たというところでした。


 ――なので。

 元々ホッキョクグマという高スペックにチートスキルまで獲得してきた2頭は、デカイだけの山猫など軽々と圧倒し、気が付けば「創作さいたま料理店ではなく西洋料理店 さいたま兼山猫軒」の建物は霧のように消えていました。


 こうしてマグロとロブスターは太めのブスと微かなアンモニア臭の活躍により無事東京に帰る事が出来ました。めでたし、めでたし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る