村人
OLに大人気にして、回転寿司屋のステーキシェアNo.1のびっくりドンキ一。この――とあるオフィス街のドンキ一に、ほぼ毎日のようにやって来る常連のOL二人組が居た。
一人は黒髪ポニテの中々の美人で名前は「村人A」。
そしてもう一人は茶髪の眼鏡女子で名前は「村人B」という。
因みにだが村人Aは
とはいえ、赤の他人という言い方をしたが実際のところは仲の良い同期で、だからこそこうして毎日のように一緒に食事をしている訳である。そして今日もしこたま寿司とステーキを食したそのあとに――いつもの食後のダラダラが始まる。
「時に村人Bよ。『24時間テレビ』という番組は知っているか?」
と訊ねたのは村人A。
「ええ、もちろん知っていますよ。正確には『24時間と2分テレビ 愛は地球を救う』ですよね?」
と、頷いてから答えたのは村人Bである。そして村人Aは村人Bを指差し続ける。
「そう、その『愛は地球を救う』というヤツだが――アレ。どう考えても愛は地球を救うではなく金は地球を救う……だと思わないか?」
これに村人Bは小首を傾げ虚空を眺め。
「あ~そうですね? 言われてみればあの番組って愛を集めないでお金集めてますもんね? とゆーかそう考えるとあの番組の愛という言葉はどっから出てきたんですかね?」
この村人Bの発言に対し、村人Aは指をパチンと鳴らし。
「それだ。私も同じ疑問を抱いた。……そして出した結論が『金=愛』だ」
「なるほど。確かにそれならあの番組がひたすら募金集めてるのも納得ですね? そう考えると例えば『無償の愛=無償の金』で同じ意味って事ですもんね?」
これに村人Aは口の端を吊り上げ。
「だろう? 『地獄の沙汰も愛次第』『愛の切れ目が縁の切れ目』でも意味は通じる。つまりそうなってくるとアンパンマンは『金と勇気だけが友達』という訳さ!」
これに村人Bは眼を丸くし。
「さっすが、あーさん天才ですね? 必ず最後に金は勝つって言いますしね?」
「うむ。そこへいくと聖帝サウザーは男らしい。『金などいらぬ!』と言い放っている訳だからな……」
「ええ、世界の中心で金などいらぬ! と叫んでしまうような男の中の男ですよ彼は」
と両腕を組んでウンウン頷く村人B。
こうして――このような話を終えて、二人はレジで愛を支払うのであった。
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