かぐや姫 試練編

 こうして生き延びた5人。かぐや姫へのプロポーズの権利を獲得した5人ですが――


 まず1人目は、穏やかな心を持ちながら激しい怒りによって目覚めた覇王色のうんこ「竈門レンジ郎」。


 次に2人目は、どんな簡単な料理でもわざわざ一手間二手間増やしてから投げ捨てる評論家「国民的かれぴ☆」


 そして3人目は、備蓄してある食料は微妙に臭い魚だけのカスタネッター「民族的ぴっぴ☆」。


 4人目は、話し相手はお刺身しかいない孤高の板前「米酢玄師こめずけんし」。


 最後に5人目は、社会不適合者。100点満点中2点のドイツ皇帝「つぶあん」。


 ――の5人がかぐや姫に求婚出来る権利を獲得しました。


 しかし元々は月の民であり、そろそろ月に帰ろうかな? と考えていたかぐや姫は誰とも結婚する気はなく、求婚者達をていよく断るためにワザと無理難題を吹っ掛けて、クリア出来たら結婚するという事にしました。


 なのでまず竈門レンジ郎には「赤いきつねを緑のたぬきにして下さい」というクエストを出しましたが、竈門レンジ郎はどう頑張っても赤いきつねを肌色のおじさんにする事しか出来なかったので泣く泣くかぐや姫を諦めるのでした。


 次に国民的かれぴ☆には「バナナにして下さい」というクエストを出したところ、国民的かれぴ☆はどう努力してもまるごとバナナをまるごとおじさんにする事しか出来なかったので渋々かぐや姫を諦めました。


 そして次は民族的ぴっぴ☆ですが、民族的ぴっぴ☆には「全米を泣かせて下さい」というクエストを出しましたが、民族的ぴっぴ☆はどう足掻いても全米をおじさんにする事しか出来なかったので夢夢散っていくのでした。


 次は米酢玄師ですが、米酢玄師には「超一流の暗殺者密着24時」というクエストを出しましたが、23時間でおじさんを超一流にする事しか出来なかったので仰々しく散っていきました。


 そして最後のつぶあんですが、つぶあんには「おじさんになって下さい」というクエストを出しましたが、つぶあんはそもそもおじさんだったので、つぶあんのクセに「ジャムおじさん」になるのが限界でした。しかしジャムは余計という事で結局ジャムおじさんも失格となりました。


 こうして無事。全員をジャムおじさんにしたかぐや姫でしたが、ここにきて最後の最後に時の権力者である帝がかぐや姫の婿に立候補したのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る