ギャグ小説だより

高谷

桃太郎

 むか~し昔、あるところにお爺さんとお爺さんが住んでいました。


 ある日。そのお爺さんとお爺さんの家の隣に住んでいるニンニクバター醤油の香りがするボディビルダーのお爺さんが川に洗濯をしに行くと、川上から――


「ドンブラコッコ~ドンブラコ~♪ ドンブラコッコ~ドンブラコ~♪」


 ――と。大きな桃…………の香りがするボディビルダーが流れてきました。


 ニンニクバター醤油の香りがするボディビルダーのお爺さんが桃の香りがするボディビルダーを片腕一本で川から引き上げると、ニンニクバター醤油の香りがするボディビルダーのお爺さんは桃の香りがするボディビルダーに桃太郎というビルダーネームを付けました。因みにニンニクバター醤油の香りがするボディビルダーのお爺さんのビルダーネームはティラミスというが今は関係ないので放っておきましょう。

 そして桃太郎は既にムキムキに鍛え上げられていたので、そのまま鬼退治に行く事にしました。


 桃太郎が鬼ヶ島に向かい歩いていると――向こうから負け犬がやってきました。負け犬は桃太郎に――

「桃太郎さん。腰にぶら下げているプロテイン団子をくれたら鬼退治のお供をしますギョギョ~」

 と言うので桃太郎が負け犬にプロテイン団子をあげると、負け犬は瞬く間にムキムキになりました。


 こうして桃太郎と負け犬が鬼ヶ島に向かっていると、今度は向こうからかませ犬の猿がやってきました。かませ犬の猿は桃太郎に――

「桃太郎さん。腰にぶら下げている20kgのバーベルをくれたら鬼退治のお供をしますギョギョ~」

 と言うので桃太郎がかませ犬の猿に20kgのバーベルをあげると、かませ犬の猿は瞬く間にムキムキになりました。


 こうして桃太郎と負け犬とかませ犬の猿が鬼ヶ島に向かっていると、今度は向こうから国家権力の犬の雉がやってきました。国家権力の犬の雉は桃太郎に――

「桃太郎さん。腰にぶら下げている20kgのプロテイン団子をくれたら鬼退治のお供をしますドスコイ」

 と言うので桃太郎が国家権力の犬の雉に20kgのプロテイン団子をあげると、国家権力の犬の雉は瞬く間にムキムキの半魚人になりました。


 こうして桃太郎と負け犬とかませ犬の猿は、ムキムキの半魚人の背中に乗って海を渡り、鬼ヶ島へと上陸。するとすぐにビルダーネーム「鬼」達との戦闘になりますが、桃太郎は必殺魔法の「冥王炎殺陣モンブラン」を、負け犬も必殺魔法の「白玉あんみつハウリング・フレイム」を、かませ犬の猿も必殺魔法の「きのこの山たけのこの里」を、そしてムキムキの半魚人も必殺魔法の「筋肉」を放ちビルダーネーム「鬼」達を一蹴しました。


 こうしてビルダーネーム「鬼」達を倒した桃太郎は晴れて日本一のボディビルダーではなく日本一の野菜ソムリエになりましたとさ。

 めでたしめでたし。

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