独白

@mmnoki

独白

死にたいと思った。

死にたい理由はなかった。

未来の自分が真っ白どころか影も形もないので、生きていないものだと思っていた。

子供のまま一生を終えるのだと思っていた。

小学生中学生は一貫校だったので、何も考えずに流れて生きてきた。

高校を選ぶ時は少し困ったが、専門的なところを選んで勉強を避けた学校を選ぶと、そこからは早かった。

高校が難題だった。

人見知りの激しい自分は、友達ができなかったし先生の話を10も汲み取れない人間なので分からないことが多かった。

人に聞こうにも、気がついた時にはもうグループはできていた。

独りだと気まずかったりして困ったが、本を読んで何とか日々をやり過ごしていた。

ある日の遠足のようなイベントで初めての友達ができた。

ちょっと変わった子だが、良く話しかけてくれるいい子だった。

仲良くなってからしばらくして、その子の卑屈な言動に、イライラが収まらなくなってしまった。

すぐに謝るし、何も無いのにいろんなことを気にしてすぐ怒ったり文句を全部口に出して言ってくるのだ。

人のやな事を聞くと自分は、それに感化せれてしまうからそういうのを聞くのが嫌だった。だからその子にイライラして姉に愚痴ったりもした。

自分も同じ嫌な奴だった。

その子は自分を嫌わなかった。

2年生になると、お互いに落ち着いて、イライラもぶつかることも、冷戦状態になることも無くなった。

その代わり、学校の進路に向けての話が進み未来がない自分には苦しくなって行った。

大人にならずに死ぬ物だ思って生きてきたから、進路など、なりたいものなど何一つとしてなかった。

怖かった。

大人になるのが。

自分で決めるのが。

それが分かっていたのに、誰かに告ればよかったのに思ったことを言葉にできない。自分の考えを話せない。

これが大きな欠点だった。

ホントのことが言えない。

つい嘘をつく。

天邪鬼

それを体現した様な人間だった。

誰にも何も言えないまま、心が先に逃げてしまった。

学校を拒み始めた。

1度楽を知ると抗えず何度も繰り返す。

弱いから何度も繰り返した。

体調が悪かったのは、本当であったけど行けないほどでは無いものが多かった。

家にいる時は少しの懺悔のつもりで布団から出なかった。

3年生になってもそれは続いた。

むしろより酷くなった。

卒業、就職が近ずいたからだろうか。

しかし、ここで新たな友人が増えた。

なんでも出来るクラスの中心人物だ。

いい人だ。

優しい人だ。

よく世話を焼いてくれた。

でも学校を拒む日は増えていった。

次第に死にたいではなく、死ぬべきだと思うようになった。

未来がない自分が生きては行けない。

死のうと何度シュミレーションしたかわかない。

頭の中で30回は自殺した。

ここで行動に移さなかったのは、未だに奇跡だと思うほどだった。

何も嫌なことなどないのに死にたかった。

そこで初めて、人が死ぬのに理由は無いし、生きるのにも理由は無いと知った。

理由はあると言われるかもしれない、しかし、なぜ生きているのかと言われると、体が動いて生命活動をしているから、心臓が動いているがら。となるこれに理由は無い。

逆に死ぬのも動かなくなったからとなる。これも理由は無い。

反論は受け付ける。

暴論だとわかっているから。

でも、人が歩く道はそれぞれだし、同じ道を歩いでも同じは人にはならない。

同じものを見て、体験して、食べて、飲んで、聞いて、話しても分岐点では別の選択をする。

思考は同じにならない。

だから反論は受け付ける。

自分はこのような人生を歩んでいるが、誰かに自分が成り代わっても同じ結末を辿るだろう。

しかし、自分は今どんな道を歩いているだろう?

三途の川を歩いているかもしれない。

賽の河原かもしれない。

光る雲の上かもしれない。

茨の中かもしれない

アスファルトの上かもしれない。

歩いていないかもしれない。

走っているかもしてない。

どんな可能性もあるし、全部違うかもしれない。

私は今どうしているのだろう?

どうすべきなのだろう?

それを探しているのかもしれない。

見つからないものを。

貴方は、どこをどこに向かって歩いていますか?

目的はありますか?

生きる理由を知っていますか?

死なない理由を知っていますか?

未来の自分が分かりますか?

私は未来が怖いです。

これから起こる全てが怖いです。

あなたも怖いですか?

もしよろしければ、立ち止まってくれたのなら、私の手を取って一緒に歩いてくれませんか?

手を引いてくれませんか?

こうして自分で考えなくてもいいようにして責任を誰かに押し付けようとするところか悪いところ。

松葉杖を着いてでも人が歩いているのに、私のこれはきっと甘えなのでしょうね。

でも私は、これでも苦しんでいるのです。

明日が見えないのは怖いことです。

苦しい中を歩く強さが欲しいです。

貴方は苦しくても折れない強いひとであれますように。

そう願うばかりです。

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