等価交換でぶらり気ままにボッチ旅
いずいし
1話目 始まりの草原
「……………………はい?!」
……え?!何だよ……これ???
俺、部屋で寝てたよ…な?………なら、今のこの状況は夢か?どう見ても昼間だし、周りは草原だし、風は
「………夢…にしてはリアル過ぎねえ?」
背もたれ代わりに身体を預けていた木に手を付き、立ち上がる。
少し小高い丘に木が一本。
ぐるりと見渡しても何処までも続く草原。
遙か先に森があった。更にその先には、まるでアルプスの様な雄大な山々の姿が見える。
「………え〜〜〜〜〜と……………これって疲れてボッチの俺の今の状況が、癒やしを求めて夢にまで反映されてるとか……じゃない……よな?」
夢診断とかされたら『抑圧された環境から解放されたい願望の表れですね?』とか言われそうで怖い。
いや、終わり無い仕事の山からは確かに逃れたいよ?
けどさ、これでは全解放過ぎて逆に不安しかないんだけど。
「……………ああ?!何だよこの格好?!」
俺は、仕事から帰って部屋に着いてから、電気も点ける事無く服を脱ぎ散らかして、ベッドにそのままダイブした。
……それは覚えてる。
兎に角、疲れて一刻も早く横になりたかったから…だから、着てたのはインナーとパンツだけだった。
なのに、今は質素な作りの長袖シャツとスボン。汚れが目立たなそうな、単色ベージュ色の服を着ていた。
靴……と言うかブーツも履いている。俺、ブーツなんて持ってねぇぞ?!
更にメッセンジャーバックの様な鞄をたすき掛けにしていた。
とりあえず、座り直して鞄の中身を確かめよう。
「……………何も入って無い…?」
覗いても真っ暗………真っ暗?
バックのフラップを捲ると、中央に仕切りがあり、どう見ても中身も見えないし底も見えない。
試しに右側に手を突っ込んでみる………何も無い。続けて左側だ………何かが手に触れた!それを掴み、取り出してみると、ズシリと重い手のひら大の革袋が1つ。
袋の紐を解いて恐る恐る中身を確認してみると、中には金色に輝くコインが入っていた。
「え………?!金貨?!」
こ…これはもしや『金運アップの幸運を示す夢』か?!買うか?!買えってことなのか?!年末ジャンボを!!
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