第13話 下準備
商会との交渉は成功に終わった。しかし、ここで気を抜いてはいけない。その後の対応で信用が地に落ちるかどうかが決まる。つまり下準備をしなければならない。まず、銃を大量に制作しなければならない。今回輸送はうちが行う。つまりその道中の護衛を雇うか自分たちでなんとかしなければならない。護衛を雇うにしても、今回はうちの宣伝として銃を使用したい。ブルーカイザルト商会との商談ではっきりした。この世界の文明レベルは中世あたりだ。つまり遠距離の武器は弓矢か投石機あたりだろう。これを気にブルーカイザルト商会が宣伝でもしてくれたら商会、あるいは国家から受注が来るだろう。そうすれば国家お抱えの商会になるという訳だ。あともうひとつ”アレ”が完成してたらと完成したばかりの自分の執務室で考えていたところに、
「ついに、ついに完成したは!!」
と言ってバイオレット入ってきた。
「おぉ〜ついにやったのか!!」
と俺も嬉しくなり思わず椅子から飛び跳ねた。ついに”アレ”ができたのだ。
「アリス!!ついにできたぞ。」
と俺は嬉しくなりついついアリスを呼んだ。ついにお披露目だ。
巨大な倉庫。その中に照明に照らされて黒く光るものがあった。そう、これがバイオレットたち、バンパイヤ一族に作って貰っていたものだ。
「おぉー。」
「すごいな。」
「これが」
とそこら中で驚きの声が上がる。
「すごい。これが輸送に革新をもたらすもの…」
とアリスが声を上げた。
「苦労したわよ。何せ魔導学には精通してたけど、これを作るのにあなたに教わった新しい学問を一から学ばないといけなかったもの。」
とバイオレットが言う。
「僕が求めていたのはこれだ。これが我々の強みになる。」
そう。作って貰ったのは、イギリスが生んだ天才が作ったものを使った乗り物、蒸気機関車である。
「これがあれば鉄をどこまでも運べる。」
ついに役者は揃った。
「さぁ、初仕事といこうか。」
と俺が言うと
「おぅ!!」
と作業員たちの声が建物内に響き渡った。大事な初顧客だ。しっかりとこなして信用を勝ち取る。と俺は心の中でそう思った。
元貿易会社勤め、異世界で商人となる ma-bo-doufu @gakushi12312121
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