回天(超短編)

ミハネショウジ

本編

回天する世界に終わりはない。

お湯のたっぷり入った浴槽に口まで浸かって虚空を見つめる。床に散らばるはガラス片。外の街灯の灯りのみが風呂場を照らす。

天井に着いた水滴が空中で回り始める。それに色がつく時の感覚といったら、まるで身体中から神経がしゅるしゅる、と抜き取られてしまっているような感覚である。

終いには"自分"も抜き取られてしまって、連れていかれてしまう。

その間の記憶は、ない。

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回天(超短編) ミハネショウジ @38ne44

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