第330話 怒りの矛先

サリア、ノエル、ミラの3人は、スナイパーのような遠距離攻撃のできる敵の方へ向かっていた。


「あの遠距離攻撃は、魔力の弾丸みたい!サリアが弾くから、隙を見て2人は一気に間合いを詰めて!」


敵までの位置はまだ400mほどある。



そんな中容赦なく、


バヒューンッ!

1発の黒い弾丸がミラに迫る。


「盾となれ!森の守護法陣フォレストランパート!」


ゴゴゴゴゴッ!

バギンッ!

地面から根が突き出し、ミラに迫る弾丸を弾く。


「助かる、サリ。」

「任せて!」


さらに3人はスピードを上げ敵に近づく。


「残り200m切った、ミラさん、いけますか?」

「ああ、ここまで来て出し惜しみはなしだ、次の攻撃の直後に行くぞ!」


バヒューンッ!

弾丸が放たれた音と共に、


力の解放パワーブースト!」

エンジン全開フルスロットル!」


2人は力を解放し、2秒も掛からず目の前まで距離を詰める。


そこにいたのは、クロウ達が戦ったオーガと全く同じ見た目の生き物。


「新しいオーガ、やはり彼らが。 ゴウ三の型サンノカタサイス!」


ブンッ!

ガギーンッ!

鎌のように鋭い足蹴りを、オーガは右手で防ぐ。


「びくともしないなんて、厄介な強靭さだ。」

「だが、2つも止められるかな! 参の光サンノヒカリ覇王の咆哮レグルス!」


グルンッ!

ドゴンッ!

大斧の回転斬りが、オーガの左手を抑える。


「うぐっ。」

「さすがに痛むか、そして本命は!」

「うちの番や! 神憑りクロス開始スタート! 陸の舞ロクノマイ希望の夢想曲ホープトロイメライ!」


グルルルルンッ!

サリアとエリカが共鳴し、ドリルのように鋭く高速な1撃がオーガを吹き飛ばす。


「どうや、うちの1撃はそう軽いもんじゃないやろ!!」

「さすが、エリの一撃は私以上かもな。」

「それはないやろ、そんな立派な体持ってへんし。」

「まだ、オーガの方はピンピンしてそうだよ。」


ズザッ。

吹き飛ばされたオーガは、態勢を立て直し立ち上がる。


「今までのゴーレムとは違う、前回のオーガとも違う、また新種のようだね。」

「この魔力、単体でいったらアーちゃんと同等かそれ以上のものを持ってるよ。」

「アーと同じくらい強いということか、ハーデンもハデスも人の血が通っていないのか。」

「ぐぁぁ!!」


ドスンッ!ドスンッ!

魔弾を両手から放ちながら3人に迫る。


「怒っているようだね、頭に血が上ったら戦いは負けだよ!」


ガギーンッ!

ノエルが魔弾を避け、拳を顔面に入れる。



しかし、


「魔法の、壁!?」


オーガの顔面には、闇魔法で作られたのであろう魔法の壁が作られており容易くノエルの拳を受け止めていた。


「魔法の盾!?しかも無詠唱で使えるなんてーー。」

「邪魔だ!」


ドスンッ!

ノエルはオーガの拳を防ぎつつも、10m程吹き飛ばされる。


「ノエ!」

「大丈夫だ、致命傷は免れた。彼の攻撃、これまで経験したことのないものだね、2人も気を付けて。」

「魔法には魔法で挑んでみようや、サリア!うん、分かった!  撃ち抜け、空の彼方まで!惑星間砲弾マスドライバー!」


バゴーンッ!

魔銃から無属性の大きな弾丸が射出される。



だが、


ガギーンッ!

オーガの目の前で魔法の盾により弾き飛ばされる。


「あの質量の魔法も弾くとは、何でもありな魔法ということか。けど、無敵、というわけではないようだな。」


ミラの目には、一瞬サリアの魔法が直撃した時に、ヒビが入るのが目に入った。


「だったら、うちらの最大火力を打ち込むだけやな!」

「先頭は僕が請け負うよ!」

「ぐぉお!!」


ダダダダッ!

さらに魔弾を連続で発射する。


ノエルに続いて、ミラも弾丸をよけながらオーガに迫る。


「ノエ!狙いは!」

「もちろん、魔力を作り出す体の最も重要な部分、心臓! ジン終の型オワリノカタ破滅弾レールガン!」


シュインッ!

ドゴーンッ!

拳を心臓目掛け放ち、1秒後に時間差で衝撃波がライフルの弾丸のように突き進む。


「ふがっ!?」

「さすがに、一定以上の力は受け流せないみたいだね!」

「なら、私の一撃はどうなるかな! 終の光オワリノヒカリ煌然の斗搔き星アンドロメダ!」


バフッ!

ドゴーンッ!

覇気で大斧を倍加させ、全てを消し去らんとする1撃がオーガを襲う。


ピシャッ!

オーガの体から赤い血が滴り落ちる。


「ふざけるな、人間が!」

「ふざけてなんかないよ、あなたも苦しいんだよね。どうにか助け出す方法を見つけ出すから、ここは退いて!  拾の舞ジュウノマイ!破滅の終曲ルインフィナーレ!」


シュインッ!

ジャギンッ!ジャギンッ!

2つのダガーの柄をつなげて、両刃剣にしオーガを攻め立てる。


その攻撃は、ノエルとミラの攻撃で弱まった魔法の盾では防ぎきれず、全身に傷をつける。


「ぐぅ、お前たちが、俺たちの世界を、邪魔する、奴らだな。」

「あなたは、10将軍の人なんでしょ!その魔力、強さ、並大抵の人じゃ操れないもの。」

「俺は、何者だ。分からない、でも、お前たちは、殺さなくちゃ、いけないーー。」


シュインッ!

途端に闇の渦がオーガを包み込む。


「待って!」

「ダメだ!サリア!」


ノエルがサリアの手を引くと、


その場からオーガは姿を消した。



「逃がしてしまったか。サリ、奴は10将軍が媒体にされて作られたオーガだと思うか?」

「うん、1回ギルと戦った時と似た魔力を感じた。」

「ということは、ハデスとハーデン以外は、もはやゴーレムやオーガに変えられていると考えた方がよさそうだね。外道なことを……。」


オーガを撃退したレイヴァー。


まだ戦いは、始まったばかり。


白き世界を作らせないため、レイヴァーは合流をしに歩き始めた。


第65章 完



◆◆◆お礼・お願い◆◆◆


第65章まで読んで頂きありがとうございました。


アンジュと別れ、先に進み始めたレイヴァー。

そこには、今までで1番強敵と言って良いオーガと接敵。

10将軍を媒体としていると予想されるオーガを撤退させたが、まだ彼らを殺そうとする存在は多くいるようだ。


さらにスパルタの奥地へ!

次なる敵も登場!

これからもレイヴァー応援しているぞ!


と思ってくださいましたら、

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ここまで読んで頂きありがとうございます!今後とも宜しくお願いいたします!

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