第315話 スパルタへ
レイヴァーは全員準備を終え、町の入り口に向かう。
もちろん、オーガやホルムとの戦闘での怪我は完治していない。
だが、彼らには時間がない。
「よしっ、俺たちに必要なものは集まったな。」
「ええ、やれることも対策も全てしたわ、後は私たちの道を信じるのみ。」
「これまでで1番大きく危険な戦い、だけどこれが終わればこの先のアトランティスの安全は少し保証される。やろう、サリア達で。」
「ああ、それじゃあスパルタにいるハーデンとハデスのところに行くぞ!」
レイヴァーは決意を胸に、最後の戦いの場に向かい始めた。
アテナイの王国近くの町から、スパルタの目的地までは丸1日かかる、そのため国境付近で1度キャンプを張り、明朝スパルタの王国まで行きアーシェの両親の処刑を阻止、ハーデンとハデスの野望を打ち砕く計画を立てた。
もちろん、蠢く会はハーデンしか残っていないが1人でも強敵なのは変わりない。
そして、ハーデンに協力していると思われるハデスとその配下も1人1人が厄介なことになるのは目に見えている。
正しく、お互いの正義がぶつかる死闘が繰り広げられる未来は容易に想像できていた。
道中、怪我を負っているサリアとアーシェは後方で待機、クロウ、ノエル、リィンがモンスターを退治していった。
「
ガゴーンッ!
掌底突きがサーベルウルフを打ち抜く。
「ふぅ、この辺りも安全になったか。」
「そうですね、モンスターの反応はありませんし、追加で襲ってくる気配もありません。……ただ、やっぱり奇妙ですね。」
「うん、この辺りは1ヶ月前にはもっと多くのモンスターがいた、辺りの町から多くの戦士を投入しなくては対処できないほどに。けど、今は僕たちだけで余力がある程度しかいない。」
「ハーデンのやつ、ここら辺のモンスターも捕獲して実験に使ってるってことだろうな。くそっ、命を弄びやがって。」
モンスターが少ないことは、本来良いことなのだ。
だが、そのモンスターがより強力な存在と変えられクロウたちの前に立ちはだかる場合は話が変わる。
オーガの姿を目にしているため、さらに強力なモンスター、強い魔力持ちの戦士が融合させられた場合、オーガを超える存在が生まれるかもしれない。
それだけは何があっても阻止したいものだ。
半日も経たずに、スパルタとの国境近くまで到達する。
それはもちろん、道中のモンスターが著しく少なかったからだ。
「少し早く着いたな。リィン、このまま先に進んだ方がいいと思うか?」
「いえ、スパルタに入ってあたし達の侵入がばれる方が厄介です。今日早めに休んで、明日の出発する時刻を早めるのがいいと思います。」
「そうね、リィンの作戦にしましょう。それじゃあ、夕飯の準備ね、クロウ、リィン、料理は任せるわよ。」
「あいよ。周りの警戒と、テントはそっちに任せるぜ。」
クロウとリィンは最終戦前の料理を作り、ほか4人で周りの警戒とテーブルの準備をしていた。
料理中に、改めてリィンは気づいたことがある。
(ああ、アーシェさんと婚約したことでクロウさんの目が変わった、今まで以上に固い決意と希望が見える。やっぱり、あたしはこの人が好きで尊敬してるんだな、だからこそ陰からでも支えたい。)
「ん?どうかしたか、リィン?」
「いえ、少し考え事をしてただけです。……クロウさん。」
「ん?」
リィンはクロウを見つめる。
「必ず、勝ちましょう。そして、安全な世界で安心した生活をできるようにしましょう。」
「当たり前だ、頼りにしてるぞ、リィン。」
「はい!」
そうして、料理も完成しテーブルへと並べる。
今日の夕食は、シンプルに肉を焼いたところにスパイスと塩味の効いたソースをかけてステーキに、焼きたてのパンと彩豊かなサラダ、芋をメインに使った甘めのポタージュまで作り上げた。
もちろん、アーシェがいるので10人前以上はある。
「すごいな、今日のご飯の力の入れようはいつも以上だ。クロとリィンの2人で完成させたのだよな?」
「ああ、2人だと効率もいいしリィンが俺に合わせてくれるから時間短縮で作れたぜ、ありがとうな。」
「どういたしまして!」
6人は席につき、
「いただきます。」
目の前の豪華な食事に、6人は舌鼓を打つ。
だが、美味しさとは反対に緊張もしているのだろう、これから起きることに。
食事の場面は、少し静かだった。
でと、気まずいわけではない。
これからの強大な敵を倒すため、彼らは改めて決意を固くし、その夜は眠りについたのだった。
第62章 完
◆◆◆お礼・お願い◆◆◆
第62章まで読んで頂きありがとうございました。
レイヴァーはクロウとアーシェの報告を聞き、各々の決意も表す。
そして、ここからレイヴァーの最後の戦いが始まる。
スパルタに突入!
最初に何が起きる!?
これからもレイヴァー応援しているぞ!
と思ってくださいましたら、
ぜひ、レビューの記載
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ここまで読んで頂きありがとうございます!今後とも宜しくお願いいたします!
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