第211話 3人の再会
「キシャァ!!」
「見たことのないモンスターも混ざっとるな、警戒は続けるんやで!」
「はい!どこかのリーダーさんと違って、突っ込みがちではありませんので!」
「それは、クロの兄さんのことやな、リィン嬢なら間違いないわ!」
ズザッ!
2人は二手に分かれモンスターに迫る。
「ドスフロッグもおるな、どんな組み合わせやねん。まあ、やることは1つやけどな! 壊せ!
ゴゴゴッ!
ドゴーンッ!
地面から突き刺す根が、ドスフロッグを貫く。
「シャァァ!!」
ズザッ!
すかさず次のモンスターがエリカに迫る。
「遅いで、足腰鍛えるところから出直してくるんやな!
スサーッ。
ジャギンッ!ジャギンッ!
地面を滑るように滑らかな動きが、敵を惑わし気付けば体が斬り裂かれていた。
「よしっ、まだまだいくで!」
ズザッ!
エリカはさらにギアを上げていく。
次は、リィンサイド。
(エリカさんが来てくれたから、モンスターの視線が分散してる。だからこそ、隙は生まれる!)
スッ!
サーベルウルフの死角に、リィンは入り込む。
そして、
「
グルンッ!
ジャギンッ!
静かに、そして勢いよく振り抜いた回転斬りでさらに1体倒す。
「ゲゴッ!」
トンッ!
ドスフロッグが全身で体当たりを仕掛けてくる。
「真正面からくるのは、得策じゃありませんよ!
ズンッ!
バゴーンッ!
槍の衝撃波でさらに数を減らす。
これで残り3体。
ガギーンッ!ガギーンッ!
さらに2人は冷静な動き、大型の見たことの無いモンスターのみにする。
「リィン嬢、こいつはどんなやつか知っとるか?」
「分かりません、アテナイでは見ない種類ですし、エリュシオンでも初めて見ました。」
「なら情報0か、これまでの戦いでは手を出してこなかった、いわゆるボス的な存在なんやろうな。」
「危険な種類かもしれません、他の皆さんを待ちますか?」
「いいや、2人で倒すで!町に近づけさせたら危険や、それに、何か作戦があるんとちゃうか?」
サリアはリィンと背中合わせで話す。
「そんな大した作戦ではありませんが、考えはあります。」
「ほんなら、それに乗らせてもらうわ!ええか、今からうちはリィン嬢の体の一部のように動いたる、その作戦を実行しようや!」
「分かりました、危険だと思ったらすぐ言ってくださいね、命を最優先に。」
「もちろんや、まあ、リィン嬢が危険な作戦を考えること自体予想出来へんけどな!行くで!」
ズザッ!
残り1対のモンスターにサリアが突き進む。
最後のモンスターは、牛のような形をしているが角が3本生えており全身が真っ黒。
全長も6mはあるであろう、仰々しさが溢れ出す個体だ。
「バフゥ!」
ドスンッ!ドスンッ!
地面を前足で踏みつけ、複数の石を弾丸のように飛ばしてくる。
「そんなもん! 盾となれ!
ゴゴゴッ!
グルルンッ!
エリカの周りを根が覆い、石を弾く。
すると、背中から指示が。
「右斜め前、その先にある左後ろ足を狙ってください!」
「分かったで!
ズザーッ!
ジャギンッ!
スライディングしながら、ダガーで足を斬り刻む。
「バウッ!」
ブンッ!
もう片方の後ろ足で、エリカを振り払おうと狙う。
「それくらい、避けれるっちゅうの!」
スッ!
エリカが避けると同時に、リィンは右前足の前に位置していた。
「信じてましたよ、エリカさんならその先まで読んでくれてるって!
ザッ!ザッ!ザッ!
ピシャンッ!
槍の連撃が、右足を直撃する。
すると、
「バァ!?」
ドシンッ!
バランスを保てなくなったモンスターは、横向きに倒れる。
「よしっ、畳み掛けるでーー。」
「待って!距離を取ります!」
「っ!?」
ズザッ!
2人が距離を離した瞬間、
バゴーンッ!
モンスターから蒸気のようなものが吹き出し、体を守るように覆う。
「助かったで、リィン嬢。危うく、茹で上がるところやったわ。」
「エリカさんなら、直前でも避けれたかもしれませんが、念には念をです!遠距離から、あの鼻のところ狙えますか?」
「任せとき! 射貫け!
ピューンッ!
無属性のレーザーが、魔銃から放たれる。
ガギーンッ!
何かを弾き飛ばし、蒸気が弱まっていく。
「やはり、あそこがトリガーでしたか。あとは!」
「ああ、2人でやったるで!」
ズザッ!
槍とダガーを構えた2人が、モンスターに突き進む。
そして、
「うちらの間合いに入ったら!」
「何人たりとも逃げられません!
バサッ!
ジャギンッ!ジャギンッ!
ダガーと槍に纏わられた切れ味の鋭い桜の花びらと共に、モンスターを縦横無尽に切り裂く。
「バフゥ!!」
ポトンッ。
モンスターは素材に変わり、戦闘が終わりを迎えた。
「さすがやな、リィン嬢!最高の仕上がりや!」
「ありがとうございます!」
パチンッ!
2人はハイタッチをし、勝利を喜ぶ。
そして、
タッ、タッ、タッ。
遠くから、ノエルが走ってくるのが見える。
「反対側もどうにかなったみたいやな。」
「よかったです、被害を抑えられて。それに、やっとレイヴァーの皆さんに会えた。」
「何かあったんか?エリュシオンまで、しかも1人なんて。」
「えっと、正確には1人じゃなかったんです。詳しくは、町の安全を確保してからお話しさせてください。」
「そうやな、良い報告でもなさそうやしな。」
スタタタタッ。
エリカ達も負傷者を手当に回る。
リィンがエリュシオンにきた理由。
それは、いったい。
第40章 完
◆◆◆お礼・お願い◆◆◆
第40章まで読んで頂きありがとうございました。
ノエルが豹変するほどの事実、そして少しずつ明かされるノエルの過去。
さらに、近くの町へのモンスターの襲撃で再会したリィン。
彼女は何を告げるのか。
リィンが久しぶりに登場!
サリアとノエルに告げられることとは?
レイヴァー応援してるぞ!
と思ってくださいましたら、
ぜひ、レビューの記載
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ここまで読んで頂きありがとうございます!今後とも宜しくお願いいたします!
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