追放された者達、旅をしてたら世界を救っちゃった件

第127話 防衛戦の先へ

「はぁぁ！！」

バゴンッ！

ジュールは拳でモンスターを倒していく。

「アーシェさん！そっちに複数！」

「こっちは任せて！　斬り落とせ！烈風の翼（ゲイルウィング）！」

ブオンッ！

ズシャン！

アサルトビー複数を風の斬撃が斬り裂くり

「なんでティーヴァにこんなにモンスターが！　参の舞（サンノマイ）！悲哀の挽歌（ソローエレジー）！」

シュッ！

シャキーンッ！

目にも留まらぬ速さで突撃し、ボアホーンを倒す。

「分からない、町への襲撃は何度があるんだけどここまでの規模は初めてだ！」

「ジュールさんに続け！」

ガギーンッ！ガギーンッ！

町の戦士も、防衛戦を繰り広げていく。

「着実に数は減らせてるわ、このまま一気にーー。」

シュワンッ。

ドスッ、ドスッ、ドスッ。

なんということだ。

町の空からモンスターが降ってきた。

「なに！？空からモンスター！？」

「転移魔法よ、だけど、こんな大きな規模は見たことないわ。」

「あっちには避難した人たちがいるよ！アーちゃん！」

「ええ！私たちでやるわよ！」

スタタタタッ。

2人はモンスターが降ってくる場所に向かう。

「うわぁぁ！」

「ワオーンッ！」

サーベルウルフの牙が、男の人に突き刺さる寸前。

「止まれ！感電（ボルト）！」

バリッ！

ポトッ。

小さな鋭い電撃が、サーベルウルフを素材にする。

「あ、ありがとう。」

「バラバラにいては危険よ、どこかに集団で固まってちょうだい！」

「わ、分かった！」

タッ、タッ、タッ。

町の人たちはモンスターから逃げ惑う。

辺りから多くの悲鳴が。

「くそっ、数が多すぎる。辺り一面を焼き払えばーー。」

アーシェは頭をフル回転させる。

(違うわ、そんなことしたら町の人まで被害を出してしまう。今必要なのは、範囲技じゃない、1体1体を着実に狙う力。組み立てなさい、私の中で、最適な答えを！)

シューンッ！

アーシェの両手に炎の魔力が溜まる。

そして、

「燃やせ！火炎弾（ファイアーショット）！」

バッ！バッ！バッ！バッ！

鋭い速さの弾丸のような炎の球が、アサルトビーやドスフロッグを貫く。

「ゲゴッ！」

シュンッ！

魔法を避けたドスフロッグが町の人を狙う。

「あなたの敵は、私よ！曲がれ！！」

グワンッ。

ボァ！

違う方向に飛んでいた炎の球が、急激に曲がりドスフロッグを撃ち抜く。

「はぁ、はぁ、これが正しい使い方か分からないけど、新しい道は開けた気がするわ。」

ズザッ！

アーシェはさらにモンスターを退治しに走る。

「はぁ！　初舞（ハジマリノマイ）！剣舞（ブレイドダンス）！」

グルッ、ジャギンッ！

しなやかなダガー攻撃が、アサルトビーを斬り裂く。

「やっぱり数が多すぎる、みんなを守るのは難しいーー。」

シュンッ！

サリアの頭の中にクロウの姿が。

「いいや、違うね。クロくんなら、無理を通してでも守り抜くよね、レイヴァーとして、サリアがついて行きたいと思った彼なら！」

ブーンッ！

サリアの位置から30mほど離れた場所で、アサルトビーが子供を襲っている。

(かなり遠い、魔銃で撃てば間に合うかもしれないけど男の子まで巻き込みかねない。……待って、巻き込んでしまうなら、もっと精度を上げて形を変えればいいじゃないの？これは、サリアの技なんだから！)

カチャッ。

サリアは魔銃を構える。

「しっかり狙って、一点だけを撃ち抜く。　射貫け！光線（レイ）！」

ピーンッ！

シュンッ！

目で捉えられないスピードで、針のような太さのビームがアサルトビーを貫く。

「よしっ、できた！ジュールさんが言ってた一点集中（ピント）は、イメージが大切って話してた。こういうことかな？って、今はどっちでもいい！」

ズザッ！

サリアも着実に数を減らす。

「あと少しだよ！みんな踏ん張って！」

「おおっ！！」

ガギーンッ！ドゴーンッ！

町の門は、ジュール達が制圧できそうであった。

「ここはもう平気、あとはーー。」

バッ！

ジュールが振り返ると、最後の足掻きと言わんばかりの多くのモンスターがあたりに散らばり人を襲う。

「くそっ、やめろ！！」

ズザーッ！

アーシェとサリアが背中合わせに構える。

「サリー、やりたいことはわかるわよね！」

「うん、サリアとアーちゃんなら絶対できる、いくよ！」

シュイーンッ！

2人の魔力が増幅していく。

そして、

「逃げられるものなら逃げてみなさい！」

「逃すつもりはないけどね！樹と地の檻（アイアンメイデン）！」

シュンッ！パシッ！

木から伸びた枝が全てのモンスターを捉え、1箇所に集める。

そこへ地面が壁のように伸び、集められたモンスターをサンドイッチのように潰す。

共鳴術技（リンクアーツ）の発動だ。

「はあ、はあ、これで全部かしら？」

「サリアの探知範囲にモンスターはいないよ。」

「アーシェさん、サリアさん！」

ジュールが2人に駆け寄る。

「すごい力だった、おかげさまでみんな無事だよ。」

「あなたのおかげよ、ジュール。私たちも、イメージができた。守る戦いのね。」

ガゴーンッ！

町の門から大きな音が鳴り響く。

「まだモンスター！？」

「いえ、この感じは。」

「そうだね、サリア達のチームのお戻りだね。」

スタッ、スタッ、スタッ。

門の前に屯していたモンスターを吹き飛ばし、クロウとノエルは戻ってくる。

「アーシェ、サリア、無事か？」

「もちろんよ、そっちは……って足から血が出てるじゃない！」

「ああ、バーサーカーゴーレムとのやり合い少しな。」

「もう、早く治療しに行くわよ、私がついていくから。」

「その前に、これ見てくれ。」

スッ。

クロウは懐から黒の布を取り出す。

「これって、蠢く会の？」

「多分な、逃げられる寸前に一撃入れられたみたいだ。」

「てことは、この事態は蠢く会が？でもなんで？」

「そこは僕らにも分からない。ただ、嫌な感じがする。」

スタタタタッ。

5人の元へ、1人の走ってくる人が。

「あ、いた！レイヴァーの皆さん！」

「あれ、リィンちゃん！？」

リィンが息を切らせながら走ってきた。

「どうしたんだ、こんなところまで。」

「これを、皆さんに、届けたくて。」

スッ。

クロウは差し出された手紙を開ける。

そこには、

真実を知りたければテーベに来い、待っててやるよ、エリカリット。

簡単な文面のみの手紙であった。

「これって、もしかして。」

「ああ、ソーマの仕業だろうな。」

ソーマが書いたであろう手紙を読んだレイヴァー。

彼らの判断は。

第24章　完

◆◆◆お礼・お願い◆◆◆

第24章まで読んで頂きありがとうございました。

力の使い方を学び始め、少しずつ火力を上げてきたレイヴァー。

だが、突然のモンスターの襲撃とバーサーカーゴーレムに乱される。

なんとか耐えたレイヴァーの手には、ソーマが書いたであろう1通の手紙が。

彼らはどうするのか。

新しい国に行く！？

サリアのことがわかるかも！？

レイヴァー応援してるぞ！

と思ってくださいましたら、

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ここまで読んで頂きありがとうございます！今後とも宜しくお願いいたします！