第121話 出会いと出会い

スタッ、スタッ。

4人は傷だらけの体ではあるが、エデッサを出る準備をする。


すると、テントに2人の訪問者が。


「あの、レイヴァーの皆さん、いらっしゃいますか?」

「ん?いるぞ、入ってくれ。」

「失礼します。」


スッ。

入り口から、男女が入ってくる。


「あなた達は、エデッサが危険だって知らせてくれた。」

「はい、兄のキヨです。」

「私が妹のユキです。すみませんでした、皆さんに助けを求めたせいで大きな怪我をさせてしまった。」

「気にすんな、戦士ってのは町を守るのが仕事だ。命が残ってるだけで、十分だよ。」


バサッ。

クロウは頭を下げる2人の前にしゃがむ。


「本当に、レイヴァーの皆さんはお強くてお優しいんですね。これから皆さんはどちらへ?」

「近くにあるって聞いてるティーヴァに向かうつもりよ、2人は行ったことあるかしら?」

「僕らはないんですが、武闘派の人たちが集まる町だとは聞いたことあります。兄さんがいれば、連れてってくれると思うんですが、今は……。」

「お兄さんに何かあったの?」


サリアが優しく問いかける。


「はい、ここ1ヶ月ほど行方不明で、所在が全く掴めないんです。」

「それは心配だね、1ヶ月前に何かあったのかい?」

「いえ、特にはなかったのですが、強いて言えば町の屈強な戦士達の集まりがどこかであると聞いて参加しに行ってから会えてはいないです。」

「戦士の集まり、いきなりいなくなるのは不安だよな。」


ガシッ。

クロウは2人を抱き寄せる。


「辛い時は、俺たちを呼んでくれ。もしかしたら、何か力になれるかもしれない。レイヴァーは、いつでも助けに行く。」

「ありがとうございます、そのお言葉だけで救われます。」

「サリア達も、お兄さんの名前聞いておいてもいい?」

「はい、ジン・フォルテといいます。」

「ジンさんだね、OK!何か分かったら伝えるね!」


スッ。

2人は頭を下げ、テントを出ていく。



テントの中は少しの間静寂が。



「3人とも、ジン・フォルテはどうなってると思う?」

「ノエルランス、余計なことを考えるのはやめなさい、見つけられたら助ける、それだけよ。」

「けど、蠢く会も魔族も動いてる、新生モンスターもたくさん出てきてるしもしかしたらーー。」


ズッ。

アーシェはノエルの前に立つ。


「いい?どんな形であれ、私たちは前に進まないといけない。%

「……分かったよ、すまなかった、変なことを聞いて。」

「そんじゃあ、俺たちも準備を終わらせてティーヴァに向かうか。」


バサッ、ガチャッ。

持ち物を整え、レイヴァーはエデッサの門に向かう。


振り返ると、そこにはまだ壊れた家やひび割れた地面が。


そして、レイヴァーは決意する。



「こんなことは、繰り返させない。俺たちの手の届くところで、こんなことをしようとする奴は絶対に許さねえ、やらせねえ。」

「ええ、これは私たちが忘れてはいけない罪ね、戦士として、頭に刻み込んでおきましょう。」

「うん、サリア達はもっと強くなる、そして多くの人を助ける。」

「そのために、僕たちはティーヴァに向かわないとね、行こうか。エデッサは、ナウサからの応援の人たちに任せよう。」


スタッ、スタッ、スタッ。

レイヴァーはエデッサを後にする。




クロウとサリアは重症、アーシェとノエルも傷を負っている状態で歩く。


周りからモンスターが出てきた際は、主にアーシェとノエルが対応していた。


「なあ、2人は大丈夫か?少し休むか?」

「私は平気よ、ノエルランスは?」

「僕も平気だよ、もう数十分で着くだろうし任せてもらっていいよ。」

「守ってもらう側に回って改めて気づかされたぜ、リィンが力を得ようとしてる理由を。」


グッ。

クロウは拳を作る。


「何を気づいたの?」

「守られるだけじゃ、ただ苦しくなるだけだ。たとえ力を持っていないとしても、誰かのために動きたいと感じてしまうのが、俺たちの本質なんじゃねえかな。」

「だからって、今無理して戦おうとしたら私はあなたを拘束するわよ。リィンから言われてるんだから、無理はしても無茶はさせないようにって。」

「分かってるよ、俺もリィンから言われた。無茶をしないためにも、さらに力をつけないとな。」





そして、数十分歩くと、



「あれじゃねえか?ティーヴァって名前が見えるぜ。」

「さすが、あなたの目はとてもいいわね。早くいきましょう、これ以上モンスターに襲われるのも疲れるし。」

「ただ腹が減ってるだけじゃないのか?」

「あ?そろそろ本気でウェルダンにするわよ?」

「ごめんなさい、今は動けないので尚更やめてください。」


スタッ、スタッ、スタッ。

ティーヴァの門まで向かう。





少し離れたところ、



「なあ、最新の新生モンスターは使えそうか?」

「数日後に実験導入してもいいかと。まあ、使い物にならない可能性もありますが。」


黒服の男達が話す先に、


「オレ、ソト、デル。」


片言で低音でしゃべる生き物が。


果たして、何者か。


第23章 完




◆◆◆お礼・お願い◆◆◆


第23章まで読んで頂きありがとうございました。


ミラに助けられ、レイヴァーはテントで目を覚ます。

クロウは力の使い方を指導され、サリアはエリカリットと交信ができなくなっていた。

この先、さらに強くなる必要があると考えレイヴァーはティーヴァに向かった。


新たな人登場!?

新たな敵も!?

レイヴァー応援してるぞ!


と思ってくださいましたら、

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ここまで読んで頂きありがとうございます!今後とも宜しくお願いいたします!

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