第65話 巨大モンスター
ガゴーンッ!ガゴーンッ!
バケモノは木を薙ぎ倒しながら、クロウ達に迫る。
「おぅぅ!!」
「うるせぇ、何だこの声!?」
化け物の雄叫びは、ものすごく低音であると共に脳に響くドスい声。
この声だけで、他の冒険者なら気絶するだろう。
「ノエルランス!なんか他に情報は知らないのか?」
「僕にも分からないよ、あの手紙だけじゃ情報が少なすぎる!」
「つべこべ言わずやるわよ!」
ズザッ!
アーシェとクロウが真正面から立ち向かう。
「うがぁぁ!!」
ブンッ!
スピードはないが、当たれば一撃で粉々になることが分かる拳が迫る。
「やってやるぜ!
シュッ!
ガギーンッ!
2刀の突き攻撃が、右拳を突き刺す。
だが、金属の装備によって弾かれる。
「こいつ、何で武器装備してんだよ!誰かのペットなのか!?」
「あながち間違ってないと思うわよ! 爆ぜなさい!
ボァァ!!
バゴーンッ!バゴーンッ!
巨大なトゲのついた炎の球が、顔をとらえる。
これもまた効いてる雰囲気はない。
「魔法の耐性も高いわね、クロウ!」
「分かってる!」
ズザッ!
アーシェとクロウが化け物を挟み込む。
そして、
「一気に斬り刻む!」
「追いつけるかしら!
ジャギンッ!ジャギンッ!
2刀と氷の刃が重なり合うように斬り刻む。
「うがぁ!」
防具のついていない、太もものあたりに傷が生まれる。
「よしっ、このままーー。」
「ぐぉぁぁ!!」
バゴーンッ!
体から衝撃波を放ち、2人を弾き飛ばす。
「ぐはっ!」
「えほっ、何今の衝撃波。どこから生まれてーー。」
「アーシェ!」
ブンッ!
アーシェ目掛け岩が投げられる。
「やばっーー。」
「
ガゴッ、ガゴッ、ガゴンッ!
ノエルランスがアーシェの前に入り、3連打が岩を砕く。
「大丈夫かい?」
「……ええ、ありがとう。」
「どういたしまして、くるよ!」
「言われなくても分かってるわ! 鋭いわよ!
シュバンッ!シュバンッ!
水を刃の形に生み出し、射出する。
「うがぁ!!」
ガギーンッ!ガギーンッ!
化け物は拳で容易く弾き飛ばす。
ズザッ!
クロウとノエルランスが一気に距離を詰める。
「
「
ジャギンッ!
ドスンッ!
スライディングしながら2刀で足を斬りつけ、さらに左足をノエルランスの拳が打ち抜く。
「うご??」
「ちぃ、ダメージは入ってそうだけどそんなに効果はないのかな。」
「なら畳み掛けるのみよ! 穿て!
バリリリッ!
ガゴーンッ!
空から化け物に雷が降り注ぐ。
「がぁぁ!」
「ノエルランス!俺に合わせろ!」
「え!?急すぎるよ、君は!」
ズザッ!
2人は雷で怯んだ化け物の顔面の高さにまでジャンプし、正面と後頭部を挟む。
そして、
「ノエル!合わせるぞ!」
「ああ、弾けろ!
ガゴーンッ!
2人の正拳突きが顔面をとらえる。
「ぎゃぁぁ!!」
ドスンッ!ドスンッ!
流石に痛みを感じたらしく、ジタバタと苦しみ始める。
「やるじゃねえか、ノエルランス!」
「君ってこういうこといつもやってるのかい!?仲間が可哀想だよ。」
「それに合わせられるあいつらに日頃から感謝してるよ!」
ズザーッ!
2人は着地し、アーシェの手のひらには魔力が。
「氷つけ!
ピキキキキッ!
ザシュンッ!
氷の光線が、腹部に直撃。
「うがぁぁ!」
ドスンッ。
両膝をつき、化け物は苦しむ。
「はぁ、はぁ、2人とも!今よ!」
「おう!」
「分かった!」
ザザッ!
2人が距離を詰めると、
「っ!?待って!罠よ!」
「はっ!?」
バゴーンッ!
地面から岩の槍が突き出し、2人を狙う。
「マジかよ!」
ガギーンッ!
2人は何とか拳で弾くが、
「がぁぁ!!」
バゴーンッ!
拳の追い打ちで、数m吹き飛ばされる。
「げほっ、げほっ。痛いってレベルじゃねえぞ、生きてるか、ノエルランス?」
「あ、ああ。なんとかね。」
「2人とも、距離を取りなさい!」
ドスッ!ドスッ!
さらに化け物が追い打ちをかける。
「くそっ!
グルルッ!
ガギーンッ!
折りたたみ式剣の回転したジャンプ斬りが、拳とぶつかり合う。
「うっ、力勝負じゃ部が悪いか。」
「そのまま支えてなさい! 斬り落とせ!
ブォォ!!
ガギーンッ!
クロウが抑えてる拳を、大きな風の刃が傷つける。
「うごぁぁ!」
「今がチャンスだ!」
「おう、一気にやってやるよ!」
シュイーンッ!
クロウの周りに力が溜まり始める。
そして、
「
バゴーンッ!
クロウが悲しみの感情を解放する。
思考力が急上昇し、適切な弱点を見極め大剣を構える。
(これがクロウガルトの力、確かに危険だな。けど、この力ならあの化け物を解放できる。)
ノエルランスはクロウを見つめていた。
さらに戦闘は激化していく。
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