第64話 ニューマンとヒューマン
「くそっ!近くの町から余計な奴らが派遣されてきやがった!」
「けど、奴らは3人だ!こっちは10人、返り討ちにしてやれ!」
ズザッ!
盗賊達は斧や剣を構え立ち向かってくる。
「はぁ、力量の差も測れないなんて愚かね! 吹き飛びなさい!
ヒューンッ!
ゴォォ!!
風魔法で渦を生み出し、盗賊達にぶつける。
「うぉぁぁ!」
ドスンッ!
3人の男は吹き飛び、戦闘不能。
(風魔法が練りやすいし、詠唱から発動までのラグが少ない。すごいわね、レイの武器は。)
「あの女は魔法使いだ!先にやっちまえ!」
スッ!
アーシェを先に倒そうとする男達の前に、クロウが立ちはだかる。
「よぉ、アーシェのところに行くには、俺から通行許可をもらってからにしてくれ!
グルンッ!
ガゴーンッ!
1人を回し蹴りで吹き飛ばす。
「こいつ、舐めやがってーー。」
「舐めてねえよ、真摯に向き合ってるから相手してるんだよ!
スッ!
ドスンッ!
鋭いかかと落としがもう1人をダウンさせる。
「悪い、通行許可証切らしてたから、今回は誰も通せないな。」
(体が軽い、それに力も入れやすい。さすが、流浪の鍛治職人レイだな。また後で、お礼でもしに行くか。)
ズザザッ!
盗賊残り5人が1ヶ所に集まる。
「ちっ、こいつらかなりの手慣れだ。……やるならあいつか!やっちまえ!」
ダダダダダッ!
2人の男がノエルランスへ走り向かう。
「はぁ、僕もやらなきゃいけないみたいだね。クロウガルト、君の思想はまだ理解できないな。」
スゥー。
ノエルランスは腰を落とし、息を深く吸い右手を引く。
そして、
「
スッ!
ガゴーンッ!
ライフルの弾丸のような重く鋭い一撃が、1人の男の腹を突き刺す。
「ふがっ!」
「ちぃ、こいつも冒険者かよ!」
「当たり前だろ、じゃなきゃレイヴァーについて行かないよ。
スパーンッ!
竿のように足をしならせ、盗賊の頭を打ち抜く。
「ぐはっ!」
「おいおいおい、何だこいつら!こんな強い奴らが近くの町にいるのかよ!」
「そういや聞いたことがある、あの男の手を見てみろ!」
スッ!
1人の男がクロウの手の甲を指差す。
「あの黒いカラスのマーク、最近活動を始めたレイヴァーじゃねえのか!?近くの特殊個体を倒しまくってるって噂の。」
「その噂のされ方じゃ、まるで俺たちが好き好んで倒してるみたいじゃねえか!
ズザッ!
ガゴーンッ!
風を切り、男の目に留まった瞬間裏拳が顔面に入る。
「くそっ、運が悪いぜ!」
「そうね、あなた達は揃って運が悪いわね。……撤回するわ、運がいいのよ、私たちのおかげで余計な罪を重ねずに済むのだから! 降り注げ!
ブワァ!!
大量の水が、残りの2人を飲み込む。
「くそっ、ついてねえ、ぜ。」
ガクッ。
盗賊10人は、クロウ、アーシェ、ノエルランスによっていとも容易く撃退される。
グルグルグルッ。
全員を捕縛し、クロウ達は襲われていた人たちと話す。
「ありがとうございます!応援に来てくれた方々!」
「気にすんな、ナウサに向かう途中だったのか?」
「ええ、町に物資を送りに来たのですが途中で盗賊に襲われて。」
「なら、ナウサに行くついでにこの男達を回収するようにギルドに依頼してもらえないかしら?」
「お任せください、すぐに依頼してきます。」
スタッ、スタッ、スタッ。
3人は、襲われていた人たちをナウサの町に送り出す。
「ふぅ、じゃあ俺たちは目的地に行くか。」
「おい、お前ら!」
盗賊の1人が話しかけてくる。
「なに?あなた達はもうすぐお迎え来るから、そこで待ってなさい。」
「そうじゃねえ、確かお前らはオールドタイプと魔族だよな!けど、男は1人と聞いた、なら後ろの男はニューマンだろ!何でニューマンがオールドタイプと手を組む!」
「うん?そんなことか。ノエルランスは俺たちについてきてるだけだ、気にするな。」
「そう簡単に行くか!ニューマンがオールドタイプに受けた仕打ちを知らないわけじゃないだろ!」
盗賊の男の怒号が響く。
「うるさいわね、あなた。よく考えてみなさい、仮にオールドタイプがあなた達に何かしてたとして、これまで生きてた中で、クロウがあなた達になにかした?」
「そ、それはーー。」
「あなた達も同じ、考えることを辞めた人たちならこの世界の癌として生きることになるわよ。未来を生きるなら、よく考えることね、頭に刻み込んだ?」
ズンッ!
アーシェの圧力に、男達は何も言えなくなる。
「流石に強いな、レイヴァー。」
「そりゃあな、ここまで何体の特殊個体倒してきたと思ってやがる。」
「それもそうだね、じゃあ、早く目的の場所に向かおうかーー。」
ドスンッ!ドスンッ!
何かが地面を揺らし、近づいて来る。
「なあ、こっちから出向く必要は無くなったみたいだぜ。」
「このプレッシャー、相当のモンスターよ。それも、この前のアリゲイルを凌ぐほどの。」
「やるしかないね、頼むよ、レイヴァー。」
ズザッ!
バキキキッ!
遠くの木が薙ぎ倒され、そこから1体のモンスターが顔を出す。
「おいおい、何だよあれ!?」
「人型の、モンスター!?聞いたことないわよ。」
「……こんな姿の化け物に……、やるぞ!レイヴァー!」
そこに現れたのは、
体長6mほどあり、巨大な目が一つ。
頭には大きなツノが生え、両手両足に金属の装備を付けている。
全身は赤色で、ギョロッとした大きな目で周りを見渡す。
そいつの発する殺気は、普通の人では失神するほど。
これまでのどのモンスターよりも強い存在と、3人は対面してしまった。
第12章 完
◆◆◆お礼・お願い◆◆◆
第12章まで読んで頂きありがとうございました。
クロウ達3人は、新武器の準備を終え、ノエルランスと共に手紙の示す場所に向かう。
そこには、盗賊と新たなモンスターが!?
やつはいったい!?
モンスターとの死闘が!
新たな力も!?
レイヴァー応援してるぞ!
と思ってくださいましたら、
ぜひ、レビューの記載
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ここまで読んで頂きありがとうございます!今後とも宜しくお願いいたします!
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