第3話 発達障害は「個性」ではない

現在、2023/12/22の深夜2時52分。


部屋にはスマホの画面しか光源が無い。俺は音楽を聴いて、ベッドの中でアイコスを吸っている。加熱式タバコは火事にならないから良いな。


眠いのだが、寝る気にならないので文章でも書く。あと少しで俺は今の正社員の仕事を辞めることができそうだ。もう少しの辛抱。


無職になったら、適当にフリーターになって無理のない範囲で金を稼ぐ。川の流れに身を任せて適当に生きるつもりだ。


よく人生は「レール」に例えられるが、俺は人生を「川」だと思ってる。どんな人生を送っていようが時間だけは平等に流れる。停止なんてしない。意思とは関係なく無理矢理流されていく。だから人生は川だ。


普通になりたいとか、金が欲しいとか、彼女が欲しいとか、他人よりも豊かな暮らしがしたいとか、そういう欲求を捨てると精神的に心が楽になる。


色々諦めると生きるのが少し楽になる。幸せのハードルを下げないと、俺の場合きつい。


ぶっちゃけ彼女は欲しいが、マッチングアプリに登録するのも面倒だし、俺じゃ登録したところで一つも「いいね!」が付かないだろう。そもそもまともに働けない男と付き合いたい女なんてこの世にいるのか? おそらく俺は社会に淘汰され死ぬのみ。


俺は20歳から25、6歳まで実家で完全なる引きこもり生活を送って、20代前半という貴重な時間を全て棒に振った。何も出来なかった。ただひたすら若さと希望を消費した。外出は精神科への通院だけ。精神科に入院したり自殺未遂したり消化器科に入院したり頭が本当に狂ったりした。アルコールで脳が壊れて、幻聴や被害妄想がピークに達して、俺はベランダから飛び降りて負傷した。


全く実りのない暗い生活を送っているようでも、実はそれなりの変化があった。牛歩ではあるが、ゆっくり俺は前進していった。


精神障害年金が貰えるようになってアパートを借りて1人暮らしを始めたり、作業所で働いたり、単発バイトができるようになったり、正社員になれたり、彼女を作る事ができたり。俺の状況が好転し始めたのは、本当にここ1、2年くらいの話である。


10代後半からの俺の人生の大半は「死にたい」「つらい」「苦しい」とかネガティブな思い出ばかりで、青春なんて思える時間はほとんど皆無だった。


でも、俺は知っている。「人生に遅すぎる事なんて1つも無い」と。


27歳からでも青春は作れる。「やっと俺の人生、少し楽しくなってきたところだ。ここで死んじゃ勿体ない」って自分に言い聞かせてる。でも俺は精神年齢が低い。まだ思春期みたいな気持ちで生きている。


あーあ。頑張りたくねえな。でもやるしかないんだ。だって死ねないんだから。



俺は発達障害と精神疾患がある。


最近やたら「発達障害は個性」と言う人が増えてるが、当事者が発達障害を理由に生きづらさや苦痛や希死念慮を持っている以上、俺は障害を「個性」なんて言葉で片付けるべきではないと思う。


実際、俺はASDという発達障害の2次障害で鬱病を発症した。つまり発達障害が精神疾患の引き金となった。


それに、発達障害を持つ人の自殺率は、普通の人に比べてとても高い。


そもそも発達障害の診断基準の1つに「本人が生活に支障をきたしているか」という項目がある。


俺は今まで間違いを犯しまくった。


常に間違いだらけの人生だから、死にたくなった時は、この死にたいって感情もどうせ間違いだって思うようにしている。


そうやって自分を納得させて生き延びてる。



最近俺は、本当に限られた人としか連絡を取り合ってない。人とラインしたり、人とやり取りするのは元々大好きだけど、多分俺には人と関わるのは向いてないんだ。


俺は交友関係が狭い上に、自分から他者に連絡を取ることが無くなった。誰かから来たら返信するだけ。昔に比べたら他人に依存しなくても生きていけるようになった。


1人の時間は割と好きだ。落ち着くから。特に深夜が好きだ。おひとり様を謳歌する人生も悪くない。


それにネットさえあれば、四六時中すぐに他人と話せる。俺は匿名掲示板で顔も名前も知らない人々とよく喋ってる。



朝の6時ちょうどに起きた。俺は今まで寝坊をした経験がほとんどない。引きこもってた時期に叔母から誘われて叔母の会社でバイトしてた事があるが、その時期は何度か遅刻した。そのくらいだ。


何時に寝ても大抵6時くらいに起きてしまう。ある意味、便利な体だ。



辛気臭い事を書くと気分が落ちてくるから、少し明るいことでも書こう。


前回書いたように、来年ZAZEN BOYSっていうバンドのライブに行く事になった。楽しみだが、場所が東京なので迷子にならないか心配だ。俺はかなり方向音痴なのである。地図アプリに頼ったり、人に道を聞いたりして何とか乗り切る。


あと、来年1月に発売される龍が如く8ってゲームが楽しみだ。


他に楽しみなことはなんだろう?


そろそろ仕事納めになって年末年始の休みが来る事も楽しみだ。まあ俺は近日中に退職するのだが。退職届を出してから2週間は会社に属していないといけないらしい。


ちなみに退職届と退職願はかなり違う。退職届は「この会社を辞めます」という意思表示で、上司が受理した時点で会社側はこれを拒否する権利は無い。退職願は「この会社を辞めたい」という意思表示で、別に書く必要すら無いものだ。


年末年始、俺はアパートで超だらだらして過ごす。大晦日だけは実家に帰って家族と過ごそうかなと思っている。


大晦日は紅白じゃなくてWBCの特番が見たい。野球好きの俺としては、今年は最高の1年だった。WBC優勝、大谷翔平がメジャーリーグでホームラン王とMVP。


俺は日本のプロ野球では中日ドラゴンズを応援してるが、今年も最下位だった。まるで中日は俺みたいだ。弱すぎる。でも最近、中田翔が加入した。中田はかなり良いバッターだ。中田が.260 25本 100打点くらいやってくれたら、Aクラス入りもあり得る。ほんの僅かな確率で。



年末年始の雰囲気が苦手という人もよくいるが、俺はこの雰囲気は割と好きだ。


ちなみに、日本では年末年始が最も自殺者が多いらしい。(小学生〜高校生くらいの子供の自殺者が最も多いのは夏休みが終わった9月1日)


命に序列なんて無いんだけど、子供でまだ何も知らないうちに死ぬのは勿体ないと思ってしまう。


でも、やっぱりどうなんだろう……。


よく「若いうちはどうにでもなる」って言う大人がいるけど、俺は全くそれを信じられないまま大人になったし、若くてもどうにもならない事だって多かった。


それに、若い時に一生治らない心の傷を負ってしまう子供だってたくさんいる。


若いからこその苦しみもある。学校という閉鎖空間では上手くやれない人もいる。でも広い社会に出れば、世の中なんて変人ばかりだと気付く。完璧な人なんて1人もいないと分かる。


見てくれよ。俺だって完璧じゃない。むしろ欠陥だらけだ。でも生きてる。


あんただって生きていいんだ。


「生きろ」とは言わない。でも「生きてても良いんだよ」とは言う。



音楽聴きながら朝のニュースを見ていたら、新潟で雪がかなり積もっている映像が出てきた。群馬県と新潟県は繋がっている。群馬でも北部はだいぶ雪が降るのだが、俺は南部に住んでるから、冬でも雪はほとんど降らない。


俺は北海道に住んでた時期がある。雪がよく降る地域は雪かきが非常に大変なのだ。


子供の頃は夏によく家族や友達と新潟の海に行って遊んだ。


群馬は海が無いから、海に対しての特別感は今もすごくある。海を見ると今もテンション上がる。


進撃の巨人っていう漫画のエレン達が海に憧れていたように、俺も海に憧れがある。俺は自由を追い求める。俺達は自由だ。



今日も仕事だ。めんどくせーーーー。


嫌だけど、退職までもう少しだけ頑張ります。それに明日は土曜日。


行ってきマンモス!!!!!!!


うおおおおおおおおおおおお!!!!






4話に続く

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