第3話 レストラン
「瑠花ちゃん、いる?」
「きゃー」
私は、着替えていて、かがんでブラを付けている時だった。いきなりドアを開けられて見られてしまったの。
「着替えとかしている時があるんだから、ノックをしてよ。」
「ごめん、ごめん。まだ、慣れていなくて。廊下にいるから話してもいい?」
「いいですけど。」
「今日は夜空いているんだけど、いつもご飯作ってもらっているお礼に、外で一緒にご飯食べないかなって。どう?」
「いいかも。どこに行けばいいの?」
「代官山のフレンチに行こうと思うから、代官山駅の中央改札口に18時に待ち合わせよう。勉強忙しいようだけど、大丈夫?」
「わかった。時間に行きますね。楽しみ。」
私は代官山で時間少し前に待っていると、時間になっても来ない。30分待って来ないから、またかと思い、帰ろうとしたら、実さんが電車から降りてきた。
「早かったんだね。」
「早いって、もう30分も待ってるんですけど。」
「あれ、待ち合わせ時間18:30じゃなかったっけ?」
「18時と聞いてました。30分も待って、すっかり体が冷えちゃいましたよ。」
「ごめん、ごめん。間違って伝えたんだね。じゃあ、今日は奢っちゃうから。」
「もともと、ご馳走してもらえるんじゃなかったんですか?」
「冗談だって。さあ、行こう。」
連れて行ってくれたのは、リストランテ・ASOというレストランで、お店の外にも小さなテーブルがいくつもあり、外装はヨーロッパのレストランみたい。また、店内も、おしゃれで、お料理も、一つひとつが初めて見る盛り付けで素敵。やっぱり、大人の男性って、なんでも知っていてすごいわねって感じ。
「瑠花ちゃんて、彼氏いるの?」
「今は、勉強しないとだし、彼氏はいない。どうして?」
「兄貴から預かっている大切な姪っ子だし、少しは状況を知っておかないと。」
「いつも、放置しているのに?」
「ごめんって。」
「でも、今日は嬉しい。こんな素敵なレストランって、初めて。大人って感じ。」
「喜んでもらって嬉しいよ。あと、2年半ぐらい経ったらお酒も飲めるし、そしたら、また来てみたら。」
「実さんは、彼女いないんですか?」
「いないね。」
「どうして? 女の人に興味ないとか?」
「どうしてだろう? なんとなく、機会がなくて、いつの間にか35歳だったという感じかな。でも、昔は彼女いたこともあったんだよ。あの部屋で一緒に暮らしていた時もあった。」
「そうなんだ。どうして別れちゃったですか?」
「よくわからないけど、仕事忙しくて、彼女の連絡とかあっても、いつも返事するのが3日後とか5日後とかになっちゃうんだよね。どうしてと、いつも怒っていたかな。」
「そりゃ、怒りますよ。それがフラれた原因だ。女性の連絡にはすぐに返事しないと。」
「面倒だし。」
「そんなことだから、彼女できないんですよ。」
「なんか、僕、怒られている?」
「いえ、そんなんじゃないですけど。でも、帰らない日は、連絡くれると戸締りとか安心できるんですけど。」
「できるだけ、やってみる。」
そんな、夫婦のような会話をしてレストランを出た。それ以降も、帰らない日に1回も連絡なかったけど。
でも、その日から、夜、寝てると体が熱って、下半身が落ち着かなっくなって、男性に抱かれる夢を見る日が増えていったの。これも、後で知ったんだけど、感染した男性から、人間では出ない、女性を虜にするホルモンが放出されて、女性は抱かれたくなるんだって。困った。
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