第五話:お兄ちゃんの為なら私……


「そもそもお兄ちゃんは女の子について何も知らなさすぎるよ」


 

 兄が同じクラスの女子を好きになった。

 しかも学園のマドンナと言われる超美少女だ。


 童貞でしかも年齢イコール彼女いない歴の兄がまともにアタックしたってダメに決まっている。

 しかし、クリスマス前に告白をすると決め、それに協力すると約束した私は早急にお兄ちゃんをまともな思考に導く必要があった。



「そんな事は無いぞ、モノの本でしっかりと勉強はした!」


「いや、お兄ちゃんがそこそこ頭良くて、その彼女さんと同じ志望の大学には合格確実と言われているのは知ってるけど、女の子はそんな本の言う通りになんかならないよ?」


「だがしかし、今までだって琴吹ことぶきに実践したら上手くいってたじゃないか!!」



「あれの何処が上手くいったんだぁーっ!!!!」



 いきなり足は舐めるわ、キスしてこようとするわ、あまつさえは私にSとMの女王様させるとか!!



 あ、でも女王様は良かったかも、お兄ちゃんをいじめると背筋がゾクゾクして♡

 ……///////


 じゃなくて。


「んんっ、とにかくこれから私が女の子ってどう言うモノか教えるからその変なモノの本の知識は一旦どこかに置いておきなさい」


「そうか、仕方ない。それでは早速大人の階段上らせてもらおう。まさか妹と此処までする事になるとは思っていなかったがな」


 そう言ってお兄ちゃんは服を脱ぎ始める。



「何いきなり服を脱いでいるのよ!?」


「いやだって、童貞卒業させてくれるんじゃないのか?」



 ばきっ!!



 私は有無を言わさずお兄ちゃんを殴り飛ばす。

 小宇宙コスモを最大限に燃やした私のスクリューアッパーは見事に決まってお兄ちゃんを高く吹き飛ばし星にする。



 きらーん☆!



 ひゅるるるるぅ~


 ぼてっ!



「ぐっ、な、何と言う小宇宙コスモだ……」


「ばかっ! 何いきなり妹で童貞卒業しようとしてるのよ!! 私だってした事無いんだからダメに決まってるでしょ!!」



 はぁ、本当にこの兄をまっとうに出来るのだるか?

 いや、しかしこれをまっとうにするのが約束だから私が何とかしなきゃ。



 何もしないで顔だけ見てればそこそこイケメンなんだから、私好みの……


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る