第3話

土のゴーレムを増員して鉱物の採取とダンジョン構築を進めていく。


ダンジョン構築を進めていくとDPに変化があった。


どうやらダンジョン化した森に人間が入り込んだようだ。


ダンジョン族の権能の一つ遠見で支配領域であるダンジョン内の見たい場所は離れていてもみることが出来る。


早速遠見を発動して人間がいると思われる場所を見る。


どうやらダンジョンに迷い込んだのは若い女性のようだ。


薬草採取にやってきたのか背中に籠を背負っている。


DPを得るためには人間達にこのダンジョンの存在を知ってもらいもっと多くの人間を集めなければならない。


近くにいるゴブリンに指令を出して脅かし逃げ帰ってもらうことにする。


指令を出されたゴブリンは棍棒を持ちながらガサゴソと音をたてながら女性に近づいていく。


女性はゴブリンに気が付いたようで悲鳴をあげながら逃げていく。


これで少なくともゴブリンの討伐依頼を受けた人間がやってくるはずだ。


人間達がここがダンジョンであると認識する前に少しでもダンジョンの拡張を進めなければならない。


鉱山地帯を抜けた先は広場となっており地盤を固定化しながら土のゴーレムが拡張を続けている。


この広場はある程度の広さを設けて草原地帯にするつもりだ。


ゴーレムが採集した鉱石は一定量溜まるごとに錬金術で精製して収納魔法に収めておく。




何日か経ち鉱山地帯を抜けた広場は想定していた広さに到達したのでDPを支払って草原地帯に設定する。


設定すると同時にいくつかの魔物の渦を作りだし自動で魔物がリポップするように設定する。


鉱山地帯にもスケルトンの魔物の渦を設置して本格的にダンジョンとしての体裁を整える。


土のゴーレムは草原地帯を抜けた場所でさらにダンジョンを広げるべく拡張作業に従事させる。


ここまでの出費で持っていたDPはほぼ使いきってしまったがそろそろ冒険者と呼ばれている人間共が動きだすはずだ。




◆◆◆


衛星都市ウィンドブルの冒険者ギルドにゴブリンの討伐依頼が出されて数日。


普段は街の中の仕事をしている四人組の一組のパーティーがゴブリン討伐の依頼書を持って受付に提出する。


「はい。ゴブリンの討伐依頼ですね。弱いとはいえ魔物です。十分気をつけていってきてください」


「ありがとうございます」


装備を確認した四人は颯爽と冒険者ギルドを後にしてゴブリンの目撃情報地点を目指して出発した。


ゴブリン相手に勝てて当然と思い込み自信を打ち砕かれるとは想像もしていなかったが後の祭りである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る