前逃

  歩くいし

    行幸通りの

      並木道


 僕と君の間には

大きな川が流れている!

 君には「みえない」

かもしれないが

 大きな川の濁流は

今も僕らの命を丸のみにしようと

 大きな口を開けている!

早いとこ、ここを後にせねば!

 あの駅まで戻っていって

電車に乗って遠くまで

 これでもかと離れても

僕らが立つは

 いまだ大河の皿の上

徒歩かちで果てまで

 決して振り返らず

僕らはこの世を捨て去ろう!

 しわくちゃのシャツを捨てるように

やがて僕らが至るは花の丘

 すべて生命が流れつく場所!

 

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