無題

無題

「死にたい」って言う君に本音を言うと生きていて欲しいんだ。

でも、「生きていて」なんて残酷な言葉を今が精一杯の君に言う事なんて出来なくて。だからね、いいよ。「君が幸せになれる方」を選んでよ。死んでもいい。逃げてもいいよ。でもさ、僕達、本当に幸せになれないのかな。君がいなくなる事に対してこんなに、心がぎゅっとなるのはなんでかな。君が生きてるのに理由はない。でもね、意味はあったよ。ちゃんとあったよ。だってね、僕は君が生きていてくれてこんなに嬉しいから。だから、最後にひとつだけ。

「産まれて来てくれて、ありがとう。」

君は今暖かい所にいますか？笑えていますか？泣いていませんか？辛いことは無いですか？ご飯はちゃんと食べてますか？戻ってきていいよ。いつでも。ダメだったら帰っておいで。やれば出来る子だもん。知ってるよ。今はちょっと疲れちゃったね。大丈夫。また立ち上がれるまで待ってるから。今はただ、ゆっくり休んでいいよ。偉いね。よく頑張ったね。この瞬間僕の中では君が世界一偉くて、頑張り屋さんなの。沢山頑張れたの偉いね。休んで起きたら横にいるから。手を取って一緒に行こう。約束してくれるの？君から。そっかぁ。偉いね。あんまり無理しちゃだめだよ。頑張ってね。大きくなったなぁ。この先のあの子の人生が沢山の笑顔と優しさに包まれますように。

生きていて、死なないで、っていう重いようで軽い言葉。その言葉以上に当てはまるものをずっと探してる。どの言葉が、どのタイミングが、どの表情が君を救える？傷付けたくない、笑っていて欲しい。幸せだ、ってそう言って欲しい。でも、これをこのまま君に伝えたら、きっと君を追いつめてしまうから。だって、君は優しいから。僕の言葉通りにしよう、ってそうするだろうから。わかるよ。そのくらい。だって、ずっと見てきたんだ。だからこそ、今がすごく苦しい。君を助けてあげられないこの現状が、酷くもどかしくて、正解を探してる。ずっと。君が笑ってくれるまで。