ねことへびのであい。ー2ひきは仲良くなれるかなー

小春かぜね

とあるばしょでのできごと

 ……


『ざぱーん、ざぱーん、―――』


『ざぱーん、ざぱーん、―――』


 ここは、とある町の海辺。

 この町は海が有る町であり、海釣りの名所でもある。


 今日も防波堤ぼうはていには、たくさんの釣り人達がいる。

 私(猫)には見慣れた景色でもある。


「にゃーん♪」


(今日も、良い天気だにゃん♪)

(冬の手前時期にしては、小春日和を感じるにゃん♪♪)


 私はネコ。でも、名前はない。性別は女の子だ。

 私は、産まれた時から野良猫だ。

 

 もちろん、雑種である。

 がらは想像にお任せするけど、私は可愛い猫だにゃん♪


 今日もをねだりに、私は防波堤と言う場所に来ている。

 この場所では、釣りをしている人がいて、大きなお魚が釣れるらしい。


 私はここに来て、可愛く声で鳴くと、お魚をもらえる時が多いのだ!

 さて、今日は何がもらえるかな?♪


 出来れば、まぐろと言う凄く大きなお魚が欲しいにゃん!?♪

 けど、私には大きすぎるか!///


 ……


「……」


『とこ、とこ、―――』


 私の知っている人がいるので、私はその人の側に近付き、甘える声で鳴く。

 親しみのある声で鳴くのが、お魚をするコツだにゃん♪


「にゃーん♪」


「おっ!」

「今日も……お前は来たのか?」


 この人は、メガネを掛けた中年男性である?

 顔は優しい顔している。


 天気が良い決まった日には、まずいる人だ。

 お魚以外に、美味しい物ももらえる時がある♪


「……なら、今日はこれをやるよ!」

「微妙な大きさのだから、逃がそうとは思っていたが……」


『ポトッ』


 中年男性は、穏やかな口調で言いながらバケツに手を突っ込んで、私がくわえられるぐらいのお魚を、私の側に置いてくれる♪

 私が咥えやすいように、お魚も同時に締めてくれる。


 でも今回は、それ以外は無さそうだにゃん。


「にゃーん♪」


「にゃーん♪」


『パクッ♪』


 中年男性にお礼を言いながら、私は置いてくれたお魚を咥える。

 咥えた状態ではが出来ないから、私は嬉しそうな表情をしながら中年男性の元から去る。


(今日も、お魚ゲットだにゃん♪)

(みんな、喜ぶだろうな!♪)


 私は、このお魚を独り占めしない。

 私の入っているコミュニティで、仲間たちと仲良く食べる。


「~~~♪」


(早く、帰ろっと~~!)


『タッ、タッ、―――』


 私は陽気な表情で、仲間たちがいる場所に戻っていると……道の途中に大きな蛇がいる?

 疲れているのか、とぐろを巻いている。


 蛇の想像もお任せするけど、怖そうな蛇では無さそうだ。

 どちらかと言うと、優しそうな蛇である?


「…………///」


 大きな蛇は元気がないようで、とぐろを巻いて頭を下に下げている。

 私は、その蛇の側を通り抜けようとすると、蛇が困った表情で私に話しかけてくる。


「……すいません。猫さん///」

「突然ですが、その魚を分けてくれませんか…?」


 声の感じからして、この蛇は私と同じ女の子のようだ。

 この状態ではお話しが出来ないから、私は咥えているお魚を地面に置いてから、蛇に穏やかな表情で話し始める。


「蛇さん!」

「蛇さんの理由しだいなら、このお魚を上げても良いけど?」


 私の言葉の後。

 蛇は悲しそうな表情で話し始める。


「猫さん。私は最近……この地に来た物なんですが、ここ1週間以上。何も食べていないんです///」

「さっき、防波堤の方に行って、何かをめぐんでくれないかと思ったんですが、タモで追い払われまして……」


「……」


(最近この地に来た蛇?)

(捨て猫ならぬ、捨て蛇かな…?)


(見た感じの大きさだし、その状態で人間の元に行ったら、絶対追い払われるにゃん)


 蛇の理由は聞けた。

 野生の蛇なら上げないけど、捨て蛇なら情も湧く。


 野生の蛇が、エサを取れないはからだ。

 私のコミュニティは野良猫ばかりではなく、捨て猫たちもいる。


 お魚はまた、もらいに行けば良い。

 私は笑顔で蛇に話し始める。


「良いにゃん!」

「そのお魚は、蛇さんにあげるよ!!」


「本当ですか!♪」

「嬉しい~~♪」


『パクッ♪』


 私の言葉で、笑顔になる蛇。

 その後、蛇は直ぐに捕食体勢へ入って、私のおいたを、ゆっくりと丸呑みし始める。


「~~~」


 余程おなかが、空いていたのだろう。

 蛇は嬉しそうな表情で、お魚を食べている。


 蛇がエサを食べる方法は知っているから、私は穏やかな表情でながめている。


『……ゴクン!』


「~~~♪」


 蛇は嬉しそうな表情で、お魚を食べ終える。

 蛇は笑顔で私に話し始める。


「本当に、ありがとうございます。猫さん!♪」

「これで、しばらくは生きられそうです!!」


「近い内にお礼をしますから……本当助かりました///」


「お礼なんて別に良いにゃん♪」

「困った時はお互い様だよ!♪」


『ぺこ、ぺこ、―――♪』


『にょろ、にょろ、―――』


 私は笑顔で蛇に話す。

 蛇は私の言葉の後。頭を下げながら、物陰に隠れて行った……


(さて、さっきの中年男性にもう一度、おねだりに行くか!)

(今日はいつもよりの人がいるから、あの人がダメでも、別の人に多分もらえるだろう♪)


『クルッ』


 私はそう思いながら、来た道をUターンをして、再度防波堤に向った……

 お礼は良いよと蛇に言ってしまったが、求めるべきで有ったかな?


 でも、困った時はお互い様の精神で行かないと、ダメだにゃん♪


 ……


 ☆とあるばしょでのできごと☆


 ☆おわり☆

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