第5章 「最終決戦」

部屋を見てみると奥の方に扉が見えた。あれが間違えなくドロクロの部屋だ。私は直感的にそう思った。開いてみると、そこには前原がいた。「よく辿り着いたな。私は間違えなく途中で死んだと思っていたぞ」と前原は話しかけてきた。「前原、お前の正体は誰だ」と私は叫びながら言った。前原は私を見下したような目で見ながら「まだ、分からないのか。私の名前は前原ではない。姿を変えているが私がドロクロだ」。私は信じられなかった。でも、よく考えたら前原と合流した2日目は全く襲われなかった事、別れた時前原が通った通路はブザーがならなかったこと、そしてバステル山の任務は初めてなのに異常に詳しく入口の位置も完璧に把握出来ていた事、不自然な点はいくつもあった。前原は「しかしヒルトンだけは私の正体を疑い、見抜きかけていた。だから処分しておいた。」と話た。私は頭が真っ白になった「処分?殺したということか。」私は前原を睨みつけた。「安心しろ1人では可哀想だから3匹一緒に殺してやった。」と私が一番恐れていた言葉を放った。自分でも分かるくらい強い怒りが沸いて来るのが分かった。「燃えよ」と私はドロクロに剣を振りかざした。しかし、ドロクロは奪って剣を使って攻撃を受け流した。「まだ、分からないのか?その柄に彫られているのは俺様の父親の名前だ。つまり、この剣は我が一族の物だ」と私に言い放った。そして、「破滅」と叫び剣を私めがけて振り落とした。私は死ぬかと思った。私の体を、気を失うと思うぐらいの激痛がはしった。激痛のあまり私は動けなくなってしまった。しかし、もう0時まで30秒しかなかった。私はここで命尽きてもいい、私は最後の力を振り絞り「燃えよ」と叫びながら剣を投げつけた。意表を突かれたドロクロは動きが数秒遅れた。また剣に集中してしまい私から視線が離れた。その瞬間、私はドロクロに体当たりし剣を奪った。そしてドロクロめがけ「破滅」と唱え剣を振り落とした。ドロクロは「う..」と言いながら倒れた。その時だ、物凄い揺れが私達を襲った。バステル山が崩れ始めたらしい。人工的に出来た山だったのだろうか。基地が壊れ始めた。逃げなければ飲み込まれて死んでしまう。その時だ、私は20メートルほど先に指輪があることに気がついた。しかし、揺れが凄くて立てないしドロクロから受けた攻撃の痛みで体が全く動かない。私は、動く事ができず逃げる事が出来ず崩れ落ちていくドロクロの基地と共に姿を消したのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

3 days later KOBA @kobamahi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ