第11話 なぜ、3カ月で10冊も書籍を出版できたか? 3
第6話にて、自己出版はスピードが命であると申し上げました。
今回は、短期間に複数回同じ作業をしていくことの効能を中心に述べていくこととします。実はこのことが、3カ月弱で10冊も本を出せたかという答えの核心になり得る要素を大きく持っているからです。
第4話で、自己出版に必要なパソコン作業について書いておりますが、よくお読みいただければわかるとおり、実はその作業過程においてはたいして難しい作業というのは基本的にありません。
どの工程も、手順さえ踏んでいけば、おおむね誰でもできる作業です。
具体的に使うパソコン上の機能というのは、私の場合、この程度です。
1 ワープロ機能を使ってひたすら文章を打つ。
ここはもう、創作に関する話ですので、今回はこの点については特に述べません。ともあれ、作品を作ってくださいねとしか言いようのないところです。その作品が小説であるか、詩であるか、はたまた菓子であるか、あ、お菓子は違うか、菓子のレシピ本ならそれはやっぱりあてはまるぞ(でしょ?)、それからはたまた写真集などの場合もあるでしょうが、それに応じたデータを御用意願いますという趣旨です。
写真はワープロ機能云々とは違うだろうなどという屁理屈は御遠慮願います、ということで。
2 打った文章を、ネット上のサイトに公開する。
直接打込む場合も多いが、ワードに打っておいたものを再編集しながら掲載することもあります。ここで言うサイトは、このカクヨムだけでなくアメブロや他のSNSに掲載された記事も含みます。
直接打込む場合は、上記1 と 2 を同時進行で行うことになりますね。
3 他の場所にある原稿を、書籍用のフォーマットとなるワード文書にコピーし、 それをもとに編集する。
ここでは、書籍として読める体裁にすると同時に、内容面での整合性がとれるように編集します。無論、誤字脱字の修正等も並行して行います。
4 完成したワード原稿を、PDF保存する。
5 PDF保存したデータに順番をつけ、PDFソフトで結合させる。
今使っている iTOP PDF なるサイトは、1日2回までこの作業無料。
同じ日に何度も行うことはないから、それでも十分機能しています。
6 PDF編集したデータを、とあるコピーできる場所で印刷する。
現在、1枚税抜6円の場所で印刷しています。
なお、現在白黒のプリンターは故障中です(汗汗)。プリンターを買えばいいだろうと思われる向きもあろうが、場所を取ることと費用対効果の問題もあって、現在はプリンターは使用しないままです。前市議会議員の大先輩の事務所に行けばそのくらいは無料で印刷させていただけますけど、自転車で30分近くかかるし、そこまで行く時間もないことが多いため数百円かけて印刷します。
7 印刷した紙の原稿を読んで、校正する。
まずは少しパソコンから離れ、少し間をおいて構成します。
やはり、紙媒体を介した校正をした方が校正の精度はよいです。
実は、2冊目の「野球本」を出した際、紙媒体に落とさずパソコン画面上だけで校正したところ、かなりの誤字脱字等が見受けられ、後にワード原稿に戻って修正をかけて再度PDFデータを組立直して修正を申請しました。
なお、本文データ等の修正については、いずれ項を改めて述べます。
実はこのシステム、月に1回だけという限定もありますが、販売データや原稿等の修正もできます。ただし、本の題名等、一部出来ない事項もあります。
8 校正した内容を、ワード原稿に修正を施していきます。その際、それまで気づけなかったものももちろん修正しますし、加筆や削除も当然行います。
9 一通り校正を反映させたら、少し間を置き、再びPDF保存を施し、それらの原稿に順番をつけ、PDFソフトで結合します。
これで、本文データのできあがりです。
これは、変換に1日2回までという回数制限があるとはいえ無料の範囲でできるソフトを入れていることでクリアできております。
つい先ほど述べた通り、修正をかけるにあたってはPDFデータに直接反映させるのではなくワードに戻るようにしていますが、これは有料機能を使わないで済ませるようにすることと、将来別の書籍等のデータとして使うことを考慮して、あえてPDF上のデータを触らないようにしているわけです。
10 9 の段階でパブファンセルフさんのサイトにある透明効果除去のソフトで透明効果をはじいておきます。カラーかモノクロかに関わらず、写真が何枚かあったとしても、全体を1回施しておけばそれで十分です。
PDFソフトの段階で透明効果除去も可能ですが、私の場合は有料機能になっているのでそちらは使えません。
ですが、パブファンセルフさんのサイトにあってその目的が達成できるのであるから、あえて有料ソフトに金をかける必要は現段階ではないため、有料機能は導入しておりません。
なお今後、業務が拡張した際には当然有料ソフトの導入もあり得ます。
11 数冊出版した頃より、この後すぐ、電子書籍用の本文データも作ってしまっています。こちらは、epub 形式に変換します。
電子書籍については、後に改めて述べて参ります。先に少しだけ述べておきますと、POD出版の登録ができると、電子書籍出版の登録はかなり楽にできます。
どうせなら、こちらもできるようにしておくといいでしょう。私の場合は、POD出版で出版登録をしたらすぐに電子書籍も出版登録するようにしています。
実は私、最初に本名名義で出版した本が後に電子書籍にもなるということで、出版社に行って電子書籍での出版に際して改めて別契約をしたこともあります。要は別の契約書を読んでそこに署名捺印したということですが、自分で自作を出版するなら、そんなややこしいことしなくても大丈夫ということです。
こうして改めてまとめてみますと、さほどの機能を使っていないことが改めてわかります。書いている私自身、ホンマかいなと思えるくらい、あっさりした業務なのです。もちろん、作家としてものを書くときというのはそう楽なものではないはずですけど、それもまあ、何年にもわたって書き続ける体力が出来上がっていますから、なんてことを言うほどでもないですね。
ともあれ、ちょっとしたコツ云々は前にも述べた通りですけど、結局、無料ソフトの範囲内でかなりのことができるというわけです。
特に、写真集などの画像データではなく文字データが中心の私の著作物に関する限り、実際のところパソコンの全機能を総動員するほどの必要性はないですね。
それこそ、本の原稿製作段階でエクセルさえも今のところ使っていないくらいですから(現段階までは使う過程がなかっただけです。無論、今後使う可能性は十二分にあり得ます~苦笑)。
これだけの作業の流れをきちんと身に付けられたら、あとはそれに従って淡々と業務をこなしていくのみです。
加えて、何度もやっていると、先回りしてこれをしておけばよいというものにも気づき始めてきます。今書いた過程の中にも、そうした気付きを反映して動いているものも少なからずあります。
それに気づけば、そこも一気にこなしてしまう。
そしてその一つ一つの経験が、ノウハウになっていくのです。
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