まずは、詩集から行こう。~半年間、詩を作っていてよかった!

第2話 何を紙の本にすべきか? そして、技術面の問題へ

 本を出すのはいいが、どんな内容のものを出すかは大事な話どころか、それが決まらなければそもそも本にならないし、作品にすらならない。

 こんな当たり前のことが、こういう時こそ、重くのしかかってきます。


 さあ、何を最初に本にすべきか。


 小説というのは、まとまった文章である。これはノンフィクションにしても同じことで、その手のものはどうしても1冊の校正に時間がかかる。旅行記というのもあるが、実はこれもこの範疇に入る。書く労力という点においても実は同じ。いくらこちらがカクヨムを始めある程度ストックがあるとはいっても、それをさらに編集して本として出すとなれば、時間だけでなく労力もかかります。

 出来れば、文字の校正に時間のかからないもので。

 となれば、写真集や漫画となるかも。漫画はさすがに描けないから無理だが、写真集ならできないこともないと考える向きもあるかもしれない。プロの写真家というわけでもないし、どの程度の印刷の出来具合になるかが特に写真は重要。もっとも今時のコピー機は優秀ですから、白黒であってもかなり精度の高い写真のコピーができます。カラー印刷も決して悪くない。下手すれば昔のフィルム写真よりきれいかもしれません。だが、本にして印刷するとなれば、二の足を踏みます。

 なぜか。業務として写真集の編集者となった経験がないから。

 となれば、これは将来の課題ということで。


 そこでふと、自分自身のこの半年くらいの状況を検証してみました。

 そうか、この4月あたりから詩を作っているではないか。

 詩集なら、文字の点ではそう時間を食わないし、写真も基本的に必要ないから、時間的な面ではかなり早くできやしないか。


 それなら、これまでの詩を紙媒体にまとめてみよう。

 カクヨムで作ってきた横書きを縦書きにしていけば何とかなるだろう。

 しかも、ストックは半年分はある。

 テーマも、養護施設がらみ以外のものもあるからますますよい。

 ただ、最初はいろいろ載せる形のほうがいいだろう。もっとストックがたまったらテーマ別に出すという手も使えるが、今はさしあたり、雑多な詩集で。


 そう考えた私、まずは詩集から書籍化していこうと考えました。

 結論から言うと、これは業務的には大正解でした。

 後に書きますが、編集作業を始めて約1カ月も経った頃、自分自身の作品に関する限りではあるがその出版の基盤に据えるべきものは何かと考えたとき、まさに、この詩集を軸に据えればいいのだということに気付いたわけです。

 要は、詩集を毎月出していくこと。それを、業務の中心に据える。

 これはノムさんこと野村克也氏がよく書籍などで語られていたことですが、


中心のない組織は機能しない


まさにこの言葉通りのことで、さあ次は何を作ろうかな、などと寝とぼけたことをホザいておる間に時間が経ってしまったなどという事態を防ぐだけでなく、その作業工程における技術を毎月最低1回は確実に実施することで、業務技術の維持・向上を図れるようにすることです。

 そのためには、詩集を毎月の仕事の軸に据えればいい。確実にこれで毎月1冊は出せるではないか。どうせ費用は掛からないのだから、どんどん出していくに越したことはない。


・・・・・・・ ・・・・・ ・


 かくして、詩集をまずは出してみようとなったわけです。

 何を出していくかは、順次、こんな思考回路のもと決定していきました。

 

 さあ、次の課題は、技術面の問題。

 どのようにすれは、紙の本が出せるのか。

 そこを見ていくには、まず、この「自己出版」というものが現状どのような状況にあるのかをしっかり把握しないといけない。

 そのうえで、どのような手続と作業をしていかなければならないのか。

 単に紙に落とした文章の文字を直していくようにはいかない。実際やってみるとそう難しいことではないのだが、ここからが重要。


 しかし、この問題点については、実は私にはハンデどころか大きなアドバンテージがあるのです。

 それは、二部学生だった若い頃の経験。私がいわゆる正社員として勤めたのは、その5年間だけ。そこからは学習塾の専従に始まり、仕事内容は幾分変わっても原則個人事業主で生きています。

 しかしその5年間、印刷会社に勤めていて当時の写植、写真植字の機械を用いて文字を打って(撮影しているのと一緒なのだが)版下を作っていた頃の経験が大きく活きて(!)きました。

 これは、学習塾をやっていた頃にダイレクトメールを作成するときなどにも活かせた経験もありますので、そこは大いに活かさない手はない。

 文字のレイアウトというのは、たとえ同じポイント数の文字だけであっても大いに重要なファクターとなって参りますからね。


 かくして、次の関門は、技術面の問題。

 今度は写植機ではなく、パソコンと各種ソフトとの問題になります。

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