俺は人間に戻りたい
@hiro1913
第1話
人って簡単に死ぬと思うか?
結論から言おう簡単に死ぬ…
なぜかって?
今自分が殺されたからだ。
俺の名前は鬼竜 京夜(キリュウ キョウヤ)。
ごく普通な高校生、
両親もいて友達にも恵まれている。
今日も普通に学校に通っている普通の高校生。
『よー京夜〜おはよう
昨日の宿題やってきたか?』
『いや…やってない…お前は?』
『なんとやってきました!
見せて欲しい?見せて欲しいか?』
この鬱陶しくもうざい奴が俺の友達、
白波 玉楼(シラナミ ギョクロウ)
人生で初めて出来た友人だ。
『あーそうだな
見せてもらえるとありがたい』
『仕方ないなー
見せてやる代わりに昼ラーメン奢れよ?』
『そのくらいなら…いいか…なら頼む』
そうして俺は玉楼と契約を交わし、
宿題を見せてもらうことにした。
学校ってのは授業を受けて、
交友関係を深めるための場所だと思っている。
そのためとりあえず授業にだけは出て、
後の時間は友人と話している。
とは言え友人は玉楼ただ1人だけど…
午前の授業が終わると
共に玉楼は俺の席に来た。
『早く食堂に行こうぜ!』
なんでこいつがこんなに
焦っているかと言うと
月に一回だけの学食で1番人気の絶品のラーメンが
今日献立にある日だかららしい。
因みにその日はランダムだ。
何処でその情報を聞きつけたのやら。
昨日の宿題を見せてもらった恩もあるから
玉楼の言う通り食堂に行くことにした。
『やっぱり混んでいるな…』
もう既に食堂はとんでもない人ごみだった。
『お、おいこれ食えるのか?』
不安になって玉楼が俺に聞く
『知らん』
と俺は一言だけ言った。
『無理だったら限定ラーメンは奢らないぞ?』
と言うと玉楼は
『そりゃねーよ』
と少し落ち込んでいた。
こいつが奢ってと言ったのは
ラーメンとだけだったため
別に間違った事は言ってない。
そんなことを話していると食堂の方から
限定ラーメンが売り切れたことが発表された。
それを聞くと同時に玉楼は膝から崩れ落ちた。
『お、俺の限定ラーメンが…』
『仕方ないなー
醤油ラーメンを奢ってやるよ』
『ニンニク多めな!』
『分かったよ』
と二人分の醤油ラーメンの食券を二人分購入した。
学校の授業が終わりこれから部活やら
いろんなことをする時間だが、
俺は部活動やその他活動に所属していないため、
このまま帰宅する。
いわゆる帰宅部だ。
玉楼はオカルト部?
みたいなのに所属している。
何をやっているかよく分からない部活だ。
新入部員の募集もしてなかったし…
今日は特に用事もないためそのまま帰宅した。
ちなみに両親は仕事の都合で海外にいるため
今は一人暮らしだ。
その日の夜夕飯も食べて時間が経ち
深夜になった頃小腹が空いてきたため、
コンビニで、何かお菓子を買おうと思い外に出た。
いつもならこんな事はないのだが、
今日に限って何かを腹に入れたくて、
仕方がなかった。
そのため、近くのコンビニに足を運び、
チョコレート、トマトジュースを購入して
帰宅していた。
『流石に夜も遅いな、
警察に補導される可能性もあるから
近道である裏路地を歩いて帰ろう』
そう思い裏路地を歩いていると
少女が一人倒れていた。
『どう見ても関わらない方がいい!
関わったら面倒だ!』
『…』
『でも…』
これを無視したら夢見が悪いし、
それに…これを見て無視できるほど
人間を捨てていない。
これはその少女に駆け寄り
『おい!大丈夫か?』と
声をかけたが、反応はない。
これはまずいと思い救急車を呼ぼうと
連絡しようとしたその時
後ろから声が聞こえた。
『そいつに近づくな』
『そいつに近づけば不幸になる』
振り返るとそいつは十字架のネックレス首から下げ
手にナイフを持った男だった。
『どう言う事だ?』
『簡単な事だそいつは吸血鬼だ。
聞いたことくらいあるだろ?』
『伝承でならあるとこはある…
人の血を吸い、その者を眷属をする…
でもこの子は何か悪いことをしたのか?』
『嫌…してないな…
今日の仕事はそいつの抹殺だ』
『抹殺ってなにもしていない
この子を殺すってことか?』
理解ができずにそう聞き返すと
『そう言うことだ……
だからそいつを庇うならお前も殺す
それが俺の仕事だ』
その男はそう淡々と話した。
『なぜ殺す必要がある?』
疑問に思ったから尋ねると
『はぁ…』と男はため息をつくと
『そいつが吸血鬼、
俺が吸血鬼を狩るハンター
いわゆる吸血鬼ハンターってやつで
そいつが今日の依頼で、
始末しないと飯が食えない』
『そんなことのために殺すのか?』
『ん?あーそうだなー人間飯を食わなければ死ぬ
だがこいつらは何も摂取しなくても
1ヶ月は生きる。
だから俺が生きる為こいつは殺す
弱肉強食って奴だ。
ガキでも分かる四字熟語だろ?』
『人間は家畜以外を殺さなくても生きられる
それなのに家畜でもないこの子を殺すって事なら
見逃せないな』と身構えると
『ならお前もろとも、
その吸血鬼を殺すまでだ
悪く思うなよ少年』
次の瞬間目の前にいた男の姿が消え、
気づけば、吐血していた。
『かは…』
体には無数の刺された後
え?俺死ぬの?
力なく俺は倒れ意識が朦朧とするなか
聞こえた。
『いい覚悟であった少年
もし生きていたらまた会おう』
そのあと意識がなくなった。
その時人って死ぬんだと確信した。
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