父の日の奇跡
浅緑麻実八
第1話
午後二時、昼下がりの水曜日。
部屋で横たわっていると、階段を登る足音が聞こえてくる。
トントントンーーー
それは軽やかな調子で、私の部屋に続く廊下を歩んでいる。
ピンポーン♪
足音は部屋の前で止まり、インターホンのベルが室内に響く。
「麻里ー、今日もおじさんが来たよー。」
私が返事をするより早く、訪問者は室内にいる私に呼びかける。
「はーい…」
気怠い返事をしながら立ち上がり、サンダルを突っかけてドアノブに手をかける。
「よっ!」
ドアを開ければ、そこには朗らかな笑顔を浮かべた中年男性が立っている。
「また来たんだ。」
「おう、また来たよ。」
中年男性の返事に、毎度毎度飽きないなぁと心の中で呟く。
「で、用事は?」
「どうせまた、暇してると思ってよ。」
「いやいや、暇じゃないし。」
「じゃあ、何してたんだよ?」
「寝てたんだよ。」
「寝過ぎだよ、お前は。何時だと思ってんだよ?」
「それ、この前も言った。つか、いつも言ってる。」
「事実だろ。」
毎週水曜日、必ず繰り広げるやり取りだ。
「ま、いいや。上がってよ。」
「悪いな、邪魔するよ。」
決まった曜日、決まった時間に私を訪ねて来るのは葉瀬良彦(はせよしひこ)。
元エリート商社マンで現役ホームレスの四十歳だ。
そのホームレスを自宅に上げている私は、近所にある家族経営のコンビニで働くアルバイト店員の蔵田麻里(くらたまり)、二十二歳。
そんな私と葉瀬さんが知り合ったのは、三ヶ月前に遡(さかのぼ)る。
*****
あれは三月初旬。
春と呼ぶにはまだ寒い季節だった。
夜八時、いつもと同じように仕事を終えた私は、自分が勤務するコンビニ『たくみマート』でアイスを買った。
その足は自宅ではなく、ある公園に向かっていた。
コンビニから一分足らずの場所に位置し、ブランコと小さな砂場、二つのベンチがある、本当に小さな公園だ。
それを私は『ブランコ公園』と呼んでいる。
仕事帰りに差し掛かると、呼ばれたかのようにブランコに乗りたくなるから、勝手にそう名付けた。
“あっ、誰かいる。”
公園内に入ってベンチを見ると、珍しく先客がいた。
見た感じ、中年男のようだった。
“普段は誰もいないのに、珍しいな。”
二つあるベンチのうち、男が座っていない方に腰を下ろし、肩にかけていたカバンを置いた。
袋からアイスを取り出して蓋を開け、スプーンの包装を破る。
外の冷気と、指先に伝わるアイスの冷感。
寒いのに食べたくなるから、冬のアイスは不思議だ。
“いただきます。”
スプーンでアイスを掬い、口に運ぶ。
味はチョコミント、口内に爽快感が広がる。
幸せいっぱいの瞬間だ。
薄荷の爽快感を味わいながら、チョコチップをバリバリと噛み砕く。
薄荷とチョコレートは、素晴らしい組み合わせだ。
味はもちろん、色もだ。
ミントグリーンと茶色。
見ているだけで、幸せいっぱいになる色の組み合わせは、この二色だけだ。
この素晴らしい組み合わせを考えたのは、どこの誰なんだろう?
チョコミントを考えた人を、私は心から尊敬する。
他のアイスでは、とてもこんな気分にはなれない。
チョコミントは、最高だ。
“あ~、美味しい……”
夜空の星を眺めながら、私は至福の瞬間に顔を綻(ほころ)ばせた。
「あれ、もしかして?」
至福の瞬間に浸っていると、声をかけられた。
隣のベンチからだ。
先客の中年男性だった。
「あっ、やっぱりそうだ! たくみマートのお姉ちゃんだろ?」
「えっ?」
公園灯で顔が照らされて、誰か分かった。
「ああ、あの… お昼と夕方に来る、」
「分かった?」
「えぇ、」
ほとんど毎日来ているから、顔は覚えていた。
だが、こうして言葉を交わしたのは初めてだ。
それも初めてだが、お客と外で出くわすのも初めてだ。
だから、正直驚いた。
「今日は寒いね。こんな所でアイスなんか食べて、寒くないの?」
「その寒い日に、あなたはこんな所で寒くないんですか?」
大きなお世話と思い、私は嫌味っぽく返した。
「寒いけど、俺はホームレスだから帰る家がないんだ。」
中年男性の照れながら放った言葉で、アイスを口に運ぼうとした手が止まった。
へへっ、と笑ってはいるが、聞いたこっちは笑えない。
笑えないよ、と思ったが、口には出さなかった。
途端に罪悪感に襲われ、返す言葉に困った。
「………はぁ、それは失礼しました。」
そのせいで、至福の時が打ち消された。
「いや、いいんだ。大好きなアイスを味わってるところ、ゴメンね。」
本当だよ、という本音の代わりに、
「別に。」
と小さく返した。
“気分ぶち壊しね。”
公園に寄った事を、激しく後悔した。
“早く食べて帰ろう。”
仕事で顔を合わす人とは、お客も仲間も深い関わりを持たない。
笑顔も隙も見せない。
それが私の決めている事だ。
「お姉ちゃんは、帰ったら優しい家族がいるんだろ? 温かい家もあるんだろ?」
「家はありますが、家族はいません。子供の頃に両親揃って亡くなりましたから。」
怒りを含んだ口調で、私は中年男性に言い放った。
「えっ、そ、そう… 俺こそ、ごめんな。」
別に、と返してすぐに、
「置いていかれたんです、私。」
と小声で付け加えた。
「えっ?」
“何を言ってるんだ、私は…”
あんな一言が、なぜ出たのだろう?
こんな、よく知りもしない相手に…
「なんか、お姉ちゃんも大変みたいだね。」
「どうって事ないです。」
中年男性を冷たくあしらいながら、私は食べ終わったアイスの容器をビニール袋に入れ、傍にあったゴミ箱に捨てた。
「体、冷やさないようにね。」
「………それ、そのままお返しします。」
カバンを肩にかけて、私はベンチから立ち上がった。
“誰もいないと思ったのに。何でいるんだよ!”
心の中で悪態づきながら、私は公園を後にした。
よく来る客だと思ってはいたし、近所だろうとも思っていた。
だが、まさかホームレスとは思わなかった。
前まで公園に住む人なんていなかった。
いつから住み始めたのか?
“ホームレスになったのも、公園に住み始めたのも最近の事? 別にどーでもいいか。ん?”
何となく上着のポケットに手を突っ込むと、指先に何かが触れた。
ソッと摘まんで取り出すと、それはカイロだった。
仕事を終えてコンビニを出る時、店長に渡された物だった。
“いらないって言ったのに…”
手元のカイロを見つめ、私はこの場にいない店長にも悪態づいた。
コンビニと自宅は徒歩五分の距離、すぐに着く。
帰って来て暖房のスイッチを入れれば済む。
だから私には、カイロなんて必要ない。
“どうしよう、これ。”
手元のカイロを見ながら、私は今しがた出て来た公園を振り返った。
「……………」
まだいるであろう、あの中年男性。
公園を住み処にしているなら、まだ座っているはずだ。
“さっき、寒いって言ってたよな。”
そういえば、少し震えていた。
服装は、古びてヨレヨレのジャケットにワイシャツ、スラックス。
あの服装で、温かいはずがない。
テレビのニュースでも、まだ冷える日が続くと聞いた。
これがあるのと無いのとでは、全く違ってくる。
“………渡そう、私には必要ない。”
カイロを握り締め、私は踵を返して公園に戻った。
今にして思えば、なぜこんな気持ちになったのか分からない。
寒空の下だったからか?
店長にたまたまカイロを貰ったからか?
中年男性がホームレスと知って、不憫に思ったからか?
そんな中年男性が、それにも関わらず笑っていたからか?
こんな事、普段は思わないのに…
どうしたんだろう、今日の私は?
“単なる気まぐれ、それだけだ。”
浮かんだ自問自答を、私は気まぐれで片付けた。
“……あれ? さっきまでいたのに。”
公園内を見れば、中年男性の姿はなかった。
あの短時間で、どこへ行ったのか?
さっきまでいたベンチに戻り、その周辺を見回してみるが、姿はどこにもない。
“ここが住み処じゃなかったの?”
手元のカイロを見つめ、どうしようか悩んでいると、
「あれ、どうしたの?」
「ひゃっ!?」
背後から声をかけられ、驚いて飛び上がりそうになった。
「ど、どこに行ってたんですか?」
振り返ると、そこには中年男性がいた。
その姿を見た瞬間、私は咄嗟にカイロを後ろ手に隠した。
「布団になりそうなダンボール、探そうと思ってさ。見つからないものだね。それより、どうしたの?」
「あっ、いえ。別に…」
「忘れ物でもしたの? それとも落とし物?」
「えぇ、まあ… そんなところです。」
咄嗟に、落とし物をした事にした。
どこに落としたの? と言いながら、中年男性がベンチ周辺に屈(かが)む。
多分その辺です、と適当に返して、私もまたさっきまで自分が座っていたベンチの傍で屈んだ。
落とし物を探すフリをして…
「ちなみに、何を落としたの?」
「えっと…… ハンカチです。」
バカな事を言ってしまった。
そんな目立つ物なら、とっくに見つけている。
もっと小さい物を言えば良かった!
「探しに戻るって事は、大切なハンカチなんだね。」
えぇ、と頷きながら中年男性を振り返ると、私に背を向けている。
これはチャンス!
「あっ、ありました!」
「本当? それは良かった。」
ハンカチを見つけて、カバンに入れるフリをすると、
「迷惑をかけました!」
礼もそこそこに、私は駆け足で公園を後にした。
「あっ、ちょっと、」
中年男性の声を無視して、振り返らずに。
“あれで気付いてくれたかな?”
そのまま私は、自宅まで走った。
逃げる必要なんてなかったのに…
アパートの階段を駆け上がれば、私の部屋はすぐ目の前。
それを見た瞬間、私は階段に座り込み肩で息をした。
*
ホームレスと公園で会った翌日、私は出勤だった。
昼の十二時から出勤し、今日も夜八時までだ。
バックヤードでエプロンを付け、店内に入りレジに向かう。
「こんにちわ。」
そして、レジに立っている職場仲間の戌亥陽子(いぬいようこ)に挨拶をする。
「麻里~、こんにちわ♪」
陽子から、明るい笑顔と挨拶が返って来た。
「昨日は寒かったね~。また今日も寒くなるんだって。早く春になってほしいよ。」
「三月なんてそんなものでしょ。」
陽子の言葉に、私はドライな言葉で返した。
「もうっ、麻里はいっつもそうなんだから! 暗いよ?」
「逆に陽子は、いつでも明るいよね。」
羨ましいよ、誰に言うワケでもなく、私は小声で言った。
えっ、と聞き返す陽子。
「売場入るね。」
その陽子を無視して、私は品出し作業をするためにレジを出た。
ピンポーン♪
自動ドアのセンサー音と開閉音。
「いらっしゃいませ~!」
私がレジを出たと同時に、お客様が来店した。
陽子の明るい声が、店内に響く。
「いらっしゃいませ。」
私も陽子に続く。
明るくテンションの高い陽子の声を聞くと、本当に彼女は商売に向いていると思う。
それに比べて私は不向きだ。
ここで働くのも、家から近いだけの理由だ。
ただ食べていければいい、最低限の生活が出来ればいい。
それだけだ。
人生に目標なんて何もない。
生き甲斐だって、
「あっ、いたいた!」
商品棚の前に屈んで、商品を陳列している時だった。
聞き覚えのある声がして、思考が中断されたのは…
「いらっしゃいま、せ…」
顔を上げた時、そこには昨日の中年男性がいた。
「……どうも。」
「良かった、会えて。」
良かった?
それ、どういう意味?
中年男性は私の顔を見て、優しい笑みを浮かべている。
「……何でしょうか?」
「昨日のカイロだよ。ありがとう、おかげで温かく過ごせたよ。」
“気付いてくれたんだ。”
私は心の中で安堵し、使ってくれた事に喜んだ。
「別に… どうって事ないです。」
俯き加減で、私は中年男性に言った。
「何言ってんの、おじさん嬉しかったんだよ? あんな温かい夜は、今までになかったんだから。」
顔を見れば、中年男性は心から喜んでくれたらしい。
眩しいばかりの笑顔で話している。
その顔を、姿を見ていると、温かい何かに包まれた気がした。
それが何かは、私にはまだ分からない。
「それは、何よりです。」
「あっ、そうそう。これ、喜んでもらえるか分からないけど、」
中年男性がズボンのポケットから、何かを取り出そうとしている。
「はい、カイロのお礼。」
取り出した物は小さな平たい包みで、それを両手で私に差し出す。
「……お礼? 開けてもいいですか?」
「もちろん。」
包装紙はミントグリーン、私の大好きな色だ。
私がチョコミントを食べていたから、この色を選んだのだろうか?
「あっ!」
開けてみるとそこには、包装紙と同じミントグリーンのハンカチが姿を現した。
しかも、チョコミントアイスが刺繍されていて…
“チョコミント! だけど、何で?”
驚きと嬉しさがごっちゃになり、ハンカチをマジマジと見つめる。
「喜んでもらえたかな?」
「えっ、えっと……」
嬉しい事に間違いはない。
だけど、カイロのお礼にハンカチの理由って……
「……これは、どういう?」
「本当は、ハンカチなんて落としてなかったんだろ?」
「いや、その…」
中年男性の言葉に口ごもる。
ハンカチを落としたのは嘘で、ただカイロを渡したかった。
だが、何と言っていいか分からなかった。
だから、嘘を吐いてカイロをベンチに置いてきた。
正直にそう話したい。
話した方がいいとは思う。
だけど、話したところで何になるのだろう?
じゃあね、と言って笑むと、中年男性は商品棚からパンを二つ取り、レジに向かって行った。
私から無理に言葉を聞こうとはせずに…
待って、と中年男性を引き止めようとしたが、その一言が出て来なかった。
「……………」
去り行く背中を見ながら、私は後悔の念に駆られた。
*****
それが、葉瀬さんと私が知り合った経緯だ。
その日を境に、葉瀬さんは私に話しかけてくるようになった。
最初は警戒して接していたが、話してみると楽しくて優しい人と分かった。
それから私は、仕事終わりにブランコ公園へ立ち寄り、葉瀬さんと他愛もない馬鹿話に花を咲かせて盛り上がった。
家に呼ぶようになったのは、知り合って一ヶ月後の事だ。
茶をすすりながら菓子を食べたり、テレビを観ながら言いたい放題言ったり…
まるで、お父さんと話している感覚だ。
「適当に座って。お茶とお菓子を持って来るね。」
「おう、ありがとう。」
葉瀬さんに座るように促すと、私は台所に立った。
二人分のティーカップと皿を出す。
ティーポットに紅茶葉を入れ、熱湯を注ぐ。
茶葉はアッサム、柔らかな香りが鼻腔を優しく刺激する。
茶菓子は苺のショートケーキ、それを冷蔵庫から取り出すと、箱から皿に移す。
葉瀬さんが訪ねて来て、茶菓子を出しているこの時が、私は好きだ。
言葉では表現できない幸せに包まれて、たまらない気分になるからだ。
“両親が生きていたら、二人にもこうして茶菓子を出していたのかな?”
写真でしか見た事がない両親の顔を思い浮かべた時、壁に掛けてあるカレンダーが視界に入った。
カレンダーは六月。
今日は十二日の水曜日。
仕事は休みだ。
六月は梅雨入り、雨が降る季節だ。
だが、もう一つ重大イベントがある。
それは、『父の日』だ。
毎年六月の第三日曜日。
全国の父親が、我が子から労われる日だ。
プレゼントを贈ったり、サプライズを考えたり、楽しい計画を練って、当日は父親を喜ばせるのだろう。
“私にもお父さんがいれば… もしも、葉瀬さんが”
「おーい、麻里。何してんの?」
リビングから聞こえた葉瀬さんの声に、私の思考は中断された。
「ごめん、今行くね。」
頭を左右に振り、私は『父の日』という言葉を打ち消した。
そして、トレーに二人分の紅茶とケーキを乗せ、葉瀬さんが待つリビングに戻った。
「お待たせ、今日は苺のショートケーキとアッサムだよ。」
「おぉ、美味そうだな。いつも豪華にありがとうな。」
豪華なんて大げさだよ、と笑いながら私は、紅茶とケーキをテーブルに置いていく。
空になったトレーをテーブルの下に置き、私は葉瀬さんと向き合う形で座った。
「いただきます。」
どうぞ、の一言で、葉瀬さんが紅茶を飲み始める。
「美味いね、この紅茶。何て言ったっけ?」
「アッサムだよ。ミルクティー向きだけど、ストレートも美味しく飲める紅茶なんだ。私のお気に入り♪」
ニッと笑って、私は葉瀬さんに答えた。
「葉瀬さんのお気に入りは?」
「俺の? あまりお茶には詳しくないけど、濃いめの緑茶が好きだな。」
濃いめの緑茶がお気に入り、か。
葉瀬さんの好み、初めて知った気がする。
よく談笑する割に、私は葉瀬さんを知らないと思い知らされた。
好みやお気に入りも嬉しいだろうけど、知りたいのは心から喜ぶ事。
葉瀬さんは、何をされたら一番喜ぶだろう?
今まで会話した事を思い返し、喜びそうな手がかりを探す。
「濃いめのお茶なら明日、新商品が入荷するよ。」
「そう。じゃあ、買ってみるよ。たくみマートの商品、大好きだからさ俺。」
「いつもありがとうございます、お客様♪」
濃いめの緑茶が好きな事は分かったが、食べ物や飲み物の好みだけでは、
“私は、何を考えてるの? 父の日なんて、親のいない私には関係ないイベントじゃん。私は、置いていかれたのに…”
葉瀬さんと楽しく談笑しているが、今日の私の心は曇りだ。
『父の日』という文字を、言葉を見た時から、このところ妙な気持ちになる。
何かが私を曇らせている。
それが今の私には、分からないでいた。
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