第27話 校長の欲望

逃げる蜘蛛、追う私。その戦いには既に優劣が別れていた。

あっという間にボコボコになり、蜘蛛にしては呆気ないほどに瀕死になるそれを見ながら私は


「?もう終わりですか?」


そう言って立たせる。立たせながら殴る。チェーンソーだとどうにも倒すのに時間がかかるから仕方ない


1ヒット、2ヒット、3ヒット、4ヒット


地面にめり込むそれを眺めて私はゆっくりと起き上がらせて


「あ?まだ生きてるか?」


そう言いながら再び殴ろうとした瞬間、爆発のダメージをくらい、私は吹き飛ばされる。続けて体に魔法の鎖がくっつけられる。


「困るんですよぉ?うちに手を貸してくれてる魔族をこんなに痛めつけられると……」


どうやらこいつが親玉らしい。見た目は非常に紳士のような格好をしているが、はっきりいって気持ちが悪い。

多分あれはセンスが死んでる


「な、なんで……校長?!」


どうやら先生の発言的にこいつは校長らしい。いや、どんなのだよ。


「あーすいませんねぇ?先生方は本日をもってクビですねぇ。まあ仕方ないデスよね?私と魔族の関係を知ってしまッたんでスから」


そう言うと、形を禍々しいフォルムに変化させる。

そこに先程、置いてきた生徒たちが走ってくる。


「こ、校長先生?その姿は……!?」


「い、一体何があったのですか?!」


「あらあら、どうやら校長自体がボスでしたか」


「はうぁ……残念ですぅ……」


「あれが校長?思っていたよりも弱そう……なのだが?」


なんか数名慌てるでもなく普通に倒す気の人がいる気がする。まぁアイツらだろうな


「ええい!私をバカにするのも大概にしなさいな!私はこの魔族と共にこの学校の寄り良いグローバライズ化を図るつもりなのですから!」


それを人は余計なお世話という気がするぜ?

まあ何はともあれ、試験で死人が出るという事態、それが明らかに異常だとわかっているのに止めなかった先生は先生じゃねえし


「てめぇは片っ端から切り裂いてやんぜ?」


そう言って私がチェーンソーを持ち出した瞬間、謎の部屋に飛ばされる。


『あなたは厄介そうですから、そうですねぇしばしの間そこで大人しくしていなさい?』


おやおや、これはつまるところあれか?


──「厄介払い」


まあ確かに私みたいなめんどくさい奴がいると困るだろなぁ……計画を立てる上で1番邪魔まであるし




─「記憶操作魔法!ワスレテシマーウ!」─


ふう。と私はため息を着く。


危ない危ない、まさか入学前のガキどもに私の計画がバレて、挙句せっかく学園に呼び込んだあの化け物を一瞬で塵にされて


そんなのは私の計画の1部では無い。私はこの時のために長い間お金と資材を投げ打ってきたんだ、絶対に成功させねば


彼はこの学校の校長、ラーバルン


彼は『金色』の魔王と契約し、世界のあらゆる魔法を集めてそれを差し出すつもりだった。

実際、彼は学校を作るという名目上であらゆる生徒を集め、そいつらから魔力を奪い


学園に入学したヤツらの魔法を卒業の日に奪うことで奴隷として利用しているという、シンプル悪いやつだった。


彼は『金色』の魔王の信奉者であり、彼の者の行いを全て正当化するために学園を作った。

『金色』は世界を恨んでいる。魔法使いを、勇者を憎んでいる。

かつて『金色』はその力をほかの魔王に奪われた。

その復讐のため、世界各地から集めた優秀な魔法の持ち主の肝を食べて力をつける予定であった。


「ああ!我が君、もうすぐ、もうすぐ貴方様に捧げる贄があつまりますよォ?!」


そう言って彼が喜びを表現した時


──「?なぁここどこ?」


律の終わりを告げるものがゆっくりと現れる。

そして彼女は一言告げる


「あの程度の迷宮で私を……止めれると思うなよ?」



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