君とまた星降る夜に出会えたら。

柊藍々

神様は残酷だ。


『ねぇ!また一緒に星みたい!』


彼女はそう言って黙って姿を消した。


8月23日


ふと夢にでてきた彼女、名前も顔も声も覚えていない。

「星…か…」

星なんて興味なかった、だけど彼女は空が、自然が大好きだった。

俺は家に引きこもってばっかで自然なんて気にもしなかった。


ある日を境に俺は自然が大好きだと思えた。

君がいたから、引きこもってばかりの俺に手を差し伸べてくれたんだ


8月??日


『家に引きこもってばっかじゃつまんないでしょ!』

「別にゲームあるし本もあるし…」

『だーめー!』

「えぇ…いいけどな…別に。」

『じゃあさ、自然は好き?』

「…普通?」

『私大好きなの!青い空と白い雲に鳥さん達、全部大好きなの!』

「動物は好きだよ」

『じゃあきっと自然も好きになれるよ!』

その日から彼女と一緒に自然に触れた


8月??日


『ね、目閉じて?』

「いいけど…なんで?」

『見て欲しいものがあるの…』

その時の彼女の声はどこか切なかった。

『着いたよ!』

「ん…?」

紺色の夜空に光る星達、俺はそこから自然が好きになった

そして彼女は黙って姿を消した。俺はまた引きこもっていた。知らない内に何年も経っている。

「自然なんて…嫌いだ。あの子みたいに」

そういった直後、彼女の言葉が浮かんだ。

『君に自然を大好きになって欲しいの!』

「星、見てみるか…」

何を思ったのか俺はこういっていた、ただ単純に星を見るだけか、彼女の招待を知りたいのか…


「…この星、前どこかで…」

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