第4話 彼らの親
「じゃあそのレイ君を探しに行こう!」
「けど...レイは僕の中にいるし反応してくれないし...」
「だから探しに行くんでしょ!!手がかりを!!いつまでもクヨクヨしていられないよ」
「そう...ですね!探しに行きましょう!」
「で?どこ探すの?」
「考えてなかったんですか。」
「私全然知らなかったもん、誰かさんが教えてくれないせいで」
「ごめん...それなら、あの部屋に手がかりがあるかも」
「あの部屋?」
「レイから開けるなって言われてた部屋です、1度も開けたことがなくてどんな部屋かわからないところなんです」
「よし、それじゃあ早速行こっか!」
「はい!!」
「そういえば、ユウ君ってタメ口が多くなって一人称俺になったんだね、私のアドバイス間真に受けちゃった?」
「あれ...俺一人称変わっちゃってましたか?」
「ほら!今も俺!」
(あ...れ?なんでだ...?僕は僕なのに一人称俺だったのが当たり前のように感じられてしまう...)
「うぐっ!!頭が...」
「ユウ君!!大丈夫!?」
「はぁ...はぁ...もう...大丈夫です」
「ほんとに?ほんと?よかった...」
(どうしてだろう...早くなんとかしないと不味い気がする)
「僕の家に行きましょうか」
「ここが開かずの扉かぁ...なんだかゲームみたいだね!」
先輩はそう言って笑う
「そう...ですね...」
(うおお、あぶねぇぇ急にドキッとさせてくるなこの人は)
「あれ?普通に空くじゃ...ん?...何?ここ...」
「?...なんですか先輩そんな驚くこと...じゃ...ない?」
扉を開けるとそこは研究所のようだった
沢山のカプセルのような物に
雑多にまとめられた資料などがあった
「なに...これ...クローン技術の研究資料...違法だよ...こんなの」
「...」
(何故かここには見覚えがある)
「うぐっ...!また...頭が...」
「だ...大丈夫!?」
「大丈夫です...早く探索を続けてください...早くしないと不味い気がする...」
「大丈夫じゃないでしょ...休んでて私が探すから」
先輩は珍しく怒ってるようだった
何故だろう
「探したけど、このクローンについての資料しかあまりめぼしい物は見つからなかったよ...」
「そうですか...無駄足か...」
すると1枚の紙が資料から落ちてきた
「ん?これは...」
「蓮見病院...?」
(うっ...また頭が...ここに何か、よく分からないけど...ある気がする)
「ここに...行きましょう」
「着いた...蓮見病院...」
「あの...すいません」
僕は受付にいる人に声をかける
「はい。なんで...しょ...う?」
キャーーと
叫び声が聞こえた
僕の目の前で
「ユウ...君...なんで...生き...て?」
(普通に失礼だな...けど叫ばれても仕方ないと思ってしまった)
「どうしたんだ!」
野太い大人の男の声が病院内に響く
「い...医院長...ユ...ユウ君が...」
その人は一瞬驚いたような顔をして
「そうか、ソウ...やって...しまったんだな...予想はしていたが...」
そうぼそっと聞こえた気がした
そしてすぐに冷静にこう言った
「ユウ君私の部屋まで来てもらえるかい?横の君も」
部屋に着いた後沈黙が続く中、医院長と呼ばれる男が口を開いた
「知りたいか?」
僕は迷わずこう答えた
「知りたいです」
「そうか」
医院長は静かにそう答えた
《ならば話そう。君の父、雨喪璃ソウについて》
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