1.黒いランドセル、赤いランドセル。
僕は、友達との帰り道、そろって車にはねられた。
赤色のランドセルを背負った女の子、僕の大事な友達。
あの子に会いたいと強請って、ダメよ、って叱られてた。
次の日も強請って、ダメだよ、ってちょっと強く叱られてた。
次の次の日も強請って、ダメなのよ、と悲しそうに言われてた。
次の次の次の日も。
次の次の次の次の日も。
そうして一週間が経ったとき、知らされた。
あの子が死んじゃったんだ、って。
もうお葬式もすんでて、あの子は骨だけなんだ、って。
信じられなくて一杯泣いた。
でも、どれだけ泣かれても、やっぱり生き返れなかった。
ふたつ並んでたランドセルは、赤い、あの子のものだけになった。
「またあしたね」
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