第9話 隣の車

今回はあんまり愉快になれる話じゃないかもしれない。愚痴めいたことが嫌いな人は読み飛ばすことをお勧めする。次の話からは、いつものへらへらと笑っていられる話だ。

いずれは昔話になるのかもしれないが、道路を走っている車には今のところ運転している人間が乗っていてその人間は十人十色だ。自分とは全く違う考えでいるのは当たり前で、その人の常識は一般常識からかけ離れていることもあるのだ。


例をあげると、二車線をまたいだ状態で時々左右にふらつく車、事故車両に横付けしたと思ったら後続車の動向を確認しない上にハザードランプを点灯させず停車してしまう車、ひどいのは赤信号停車中に突然横付けしてきたかと思うと何かわけのわからないことをこちらに向かって叫んできたうえに信号が変わると同時に急発進して自車の前で蛇行運転を始めるなどだ。

一応いっておくが、少なくとも仕事中の運転はなるべく他車を刺激しない運転をするようにしている。無駄なトラブルに巻き込まれると、こっちが正しかろうと非がなかろうとトラブル処理で仕事の効率が落ちるからだ。


けれどどうしても述べたような車には出会ってしまうもので、そんな時は私はそんな車とそっと距離を取り、できれば別の道を行くなどして今日は珍獣に出会ったな、と心の平穏を取り戻すようにしている。

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