第2話 行先は?
大概、面白い言動をするのは酔っていらっしゃるお客さんだ。乗ってくるところから「沖縄!」などと冗談をいってくる方ならわかりやすいが、名古屋や静岡あたりだとあり得るのでわかりづらい。
ある見た目ほろ酔いだなと思われるお客さんが、乗ってくるなり「南国行ってくれ」といってきた。うん?南国だと都内から車で行ける場所は九州か、いや普通はタクシーで行かないよななどと考えていると「知らないのか、なら道を教えてやる。このまままっすぐだ。」といわれるがままに運転するが、どこに行かされるのか不安になっていた。そのうち、ここじゃないとか言い始めてトラブルになったらどうしようなどと考えながら十数分後、「ここでいいよ」といわれて止まった場所には、『BAR南国』という看板があった。ほっとすると同時に本当に地元の人じゃないとわからない場所だよな、と思った。
また、~大学前駅は~大学の最寄りでない問題がある。だから、行き先で「~大学前」といわれたら、「駅のほうですか、大学の前につけますか?」と聞かないといけないことがある。近くだろうと向かってみたら、駅と大学はまったく別の場所にあったら大変なことになる。まぁお客さんが酔っていたりしなければ途中で指摘されるから大きな問題にはならないかもしれないが。
過去に唯一お断りした行き先は「俺のうちだ、知らないんならいい!」という方だ。
○○さんの家でタクシーが行けるのは有名人でも一部の人だけだと思うが、あのどう見ても普通のサラリーマンにしかみえないひとは無事うちに行けたのだろうか。
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