鳥籠のかぐや姫
鶴葉ゆら/角川文庫 キャラクター文芸
序章 朧の宵
霧煙る
かぐやは夢うつつの中で、
頭は
かぐやは
ここ数日、
そのとき、さあっと風が吹いた。金目の妖影がさらさらと灰のように崩れていく。霧や雲も風に
だが、なぜだろう。かぐやを照らす頭上のあの輝きよりも、地上のほうが
それよりもさらに強い光を放っている手元を恐る恐る見れば、光の弓を握りしめていた。下を向いた拍子にさらりと視界に映り込んだ髪は、墨を染みこませたような黒から金へと変わっている。
「……っ」
身体が小刻みに震えだす。手足には
枷で擦れて傷ついた肌が夜風に触れるたび、ひりひりとする。夢ならばよかったのだが、その痛みが嫌というほど、かぐやを現実に引き戻した。
「ぁ……ああ……」
漏れた声は
(またなの?)
さああっと血の気が
「私はまた、殺してしまったの……?」
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