第1戦 VS ヘドロ魔ジん

初手 ガチャガチャマン出動!

ビビーッ!

ビビーッ!

ビビーッ!


腕時計型トランシーバーXから、警報音が鳴り響いた。



ガチ:「0721、どうぞ!」


??:「こちら04。ガチャガチャマンか!特務発生!どうぞ!」


ガチ:「ラ!すぐ行けます!どうぞ!」


??:「北3、西4の交差点付近、魔ジん対応!どうぞ!」


ガチ:「ラ!5分前後で行けそうです。どうぞ!」


??:「対象はヘドロ魔ジん!他ヒーロー応援有り。足止め頼む。どうぞ!」


ガチ:「ラ!すぐ向かいます!どうぞ!」


??:「付近住民避難勧告済み!初任務だな?決して無理はするな!どうぞ!」


ガチ:「ラ!お心遣いありがとうございます!どうぞ!」


??:「頼んだぞ!以上!」


ガチ:「ラ!行きます!」



最後の返事を言い終わる前に、通信は切られた。


道路脇のゴミ拾いを中断し、道具とゴミ袋を自転車に載せたり括り付けたりする。

リュックサックから戦闘服を取り出す。



。o(電話ボックスはどこだ!?)



緊急事態だ、素早く着替えなければならない!

しかし、電話ボックスが見当たらない!!



。o(くっ、ヒーローに厳しい時代だ!)



事態は一刻を争う!

取り出した戦闘服を肩に掛け、自転車を発進させる。

道すがら、どこかに着替えられる場所がある、きっとある!



。o(うおぉおおおおお!!)



全力でペダルを漕いで、現場に向かう。



。o(俺は高校時代、自転車部だったんだ!!)



そう思い込む事で、パワーが1.25倍ぐらいになる!!

たぶん!!



。o(!!!!)



高速で流れる景色の中、公園の隅の建物が目に入った。



。o(公衆トイレではないか!?)



自転車のまま、公園内に侵入。

その建物の壁に寄せて停める。

ぐるっと一周歩き、公衆トイレである事を確認。



。o(よし!ここで着替える!)



男性マークのある方に入る。

用があるのは、大きい方をぶっ放すための個室だ。


...目に入ったのは、レッド。



...トントン...



トントン!



使用中で間違いない...。


もう1つの個室も...レッド...。



...トントン...。



??:「入っとるよ!!」


ガチ:「あ、すいません。」



。o(くっ...急を要するというのに、こんな時に限ってッ...!)



ブオッ!!



個室内から、何かが放たれた音がした。

だけどそれは、本命の音ではない。



。o(まだ時間がかかるのか!?)



気が焦る中、世間ではなく、ガチャガチャマン自身にも、新たな危機が迫っていた。

ケツの筋肉に力を入れ、耐える。

昼に食べたサンドイッチの味がおかしかった事を思い出した。



。o(ふっ...トイレには...一か八かの選択肢がもう1つある!!)

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