第28話(空母信濃撃沈を阻止せよ)
二十八話(空母信濃撃沈を阻止せよ)
勝和19年(1944年)10月28日、未完成空母『信濃』が横須賀から出港した。
これより以前に札幌政府は、艦船修理に長けた技術者を多数派遣した。
それでも、護衛駆逐艦の修理を完遂するので手一杯だった。
「陰ながらのご助力感謝する」
阿部艦長から感謝を述べられた技術者たちは、
「ご無事で」
としか言えなかった。『信濃』の存在は機密事項であるために、知っていても言葉に出すのは憚られたのだ。
かくして、対潜哨戒能力を取り戻した護衛駆逐艦2隻は紀伊半島・潮岬(しおのみさき)を通過。翌日未明には呉に寄港することに成功した。
喜ぶ乗員たちを尻目に艦長は、
「しかし、載せる艦載機も搭乗員も居ないこの状況で『信濃』に役割があるのか?」
と、疑問を感じていた。
呉で最終工事を終えた『信濃』は、各地から強引に搭乗員と艦載機を揃える事で上層部を奔走させる効果をもたらした。
むやみやたらな特攻を抑制する一時的な効果はあった。
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