纏 クロスソウル

みこ

第1話 父との会話

「おーーい!朝だぞ起きろ!遅れるぞハル」


朦朧とする意識の中ベットからなんとか起き上がる、瞼が重たい、落ちる瞼をなんとか堪え下の階え降りていく。


「父さん…声でかいうるさい」


「ガッハハ!だってお前あれくらい呼ばないと起きないだろ!ってお前瞼落ちてるぞ、さっさと顔を洗って歯磨いて準備しなさい。」


落ちた瞼と共に気だるそうな足取りで洗面所へ向かった。蛇口を捻ると温かい水が出てくる。両手ですくい顔を洗うとやっと目が覚めてきた。歯を磨き服を着替えてスッキリした足取りでリビングへ向かった。


「改めておはようハル!どうだ素晴らしい朝じゃないか!朝食はできているからな早く済ませるといい」


父さんは頬に大きな傷がある。その事を聞いてもはぐらかされて何も教えてもらえないのでいつしか追求するのをやめた。そしてなによりとてもマッチョである。マッチョなのだ。この身体で家事全般完璧にこなすスーパーオトウサンなのである。


「父さんは今日もマッチョだね」


「ガッハハ!そりゃそうだろ日々鍛えているからな!」


「ところで母さんはもう出たの?」


「あぁ、ハルが起きる少し前に出たよ。魂装特別治癒師は忙しいんだとよ…、また暫く家を空けるらしい。まったく人の気をしらねぇで。」


母の話題を振ったのは失敗だったかもしれない。

父さんは普段明るく振る舞っているが母の仕事の話しをするといつも不安気な表情を浮かべる。

それもそのはずだ、母さんは魂装特別治癒師なのだから、治癒師と特別治癒師の違いそれは、活動範囲にある、異形出現時において治癒師とは前線には出ない、だが特別治癒師は別だ前線で魂装者を治癒しつつ戦えなくなった者の戦線離脱を手伝う運び屋の仕事もしなければならない。正真正銘命懸けの仕事なのだ。


「ガッハハ!なーんか辛気臭くなっちまったな!だが気にするな!アイツはやれる女だ戦場でヘマするような奴じゃねえょ。」


「そうだね、母さんは10年前の大異形鎮魂の際にたくさんの人を救った生きる伝説って呼ばれてる人だからね」


「あぁそうだそうだ、だから母さんのことは気にすんな!そんな事よりお前今日からだろ?学園生活存分に謳歌するといい!」


「あそこはそういう所じゃないだろ?異殲魂装学園、普通に死にそうになるとか聞いたけど?普通の学校に行きたいよまったく。寮生活も気が詰まりそうだよ」


「ガッハハ!そんな細かいことは気にするな!」


「いや、気にするわ」


ピーンポーン


家の玄関チャイムがなる、父が玄関モニターを覗く


「おい!ハル、千春ちゃん迎えにきたぞ。さっさと飯捩じ込んでいってこい!」


ハルは父に急かされるがままに飯を口一杯に詰め込んで荷物を持ち玄関へ向かった。

玄関に座り込み靴を履いていると


「我が息子よ!ここでお父様のありがた〜い言葉だ!

いつでも帰ってこい、やばくなったら逃げてもいい、だが守れるものは守れ!父さんはいつでもお前の味方だ!」


すごくいい言葉をかけてもらえたのだろう。

すこし小っ恥ずかしいきもちだ、感謝もしてる。

だがこれだけは言っとこう


「父さんそのマッチョポーズで台無しだよ!」


「ガッハハ!」











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